2018 Fiscal Year Research-status Report
狩野亨吉文書の調査を中心とした近代日本の知的ネットワークに関する基礎研究
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17K02408
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田村 隆 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70432896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折茂 克哉 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (30376579)
高山 みさと (丹羽みさと) 立教大学, 江戸川乱歩記念大衆文化研究センター, 助教 (90581439)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 狩野亨吉 / 第一高等学校 / 一高 / 東京帝国大学 / 駒場図書館 / 秋田 / 大館 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京大学駒場図書館所蔵の狩野亨吉文書の書簡に関するデータ入力を約半数終了した。手紙内容の分析により、例えば旧制一高医学部の千葉大学移管にへの関与など、これまで知られてこなかった教育分野における狩野の功績などが徐々に明らかになってきている。 また、東北大学や九州大学に所蔵される狩野文庫の多くの書物は、蔵書家としての狩野亨吉の姿を証するが、一方で駒場図書館の狩野亨吉文書からは、上述のように旧制高等学校もしくは京都帝国大学の教員としての狩野亨吉の姿が浮かび上がる。狩野は入学式の祝辞等のメモも几帳面に保存しており、研究メンバーはそれぞれの問題関心にしたがって特に一高校長時代の狩野亨吉について研究を進めてきた。 また、昨年度は狩野亨吉の故郷である秋田県大館市で碑文調査および博物館の方々との意見交換や資料蒐集などを行い、知見を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
狩野亨吉文書のうち、書簡については約半数のデータ入力を終了し、順調に進行している。また、各々のメンバーの問題関心に沿って、狩野亨吉文書を用いた研究を展開しつつある。 当初予定していた資料撮影については、まだ取りかかっていない。個人情報への配慮について慎重に検討した上で、最終年度である令和元年度に取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
書簡のデータ入力および調査については、従来通り行う。より多くの情報を集積していくことで、著作の少ない狩野の残した功績を正当に評価できると予想される。 各地に分散している狩野亨吉関係資料の情報共有のため、九州大学、東北大学等の研究者とシンポジウムを行い、意見交換を行う。日程は、現在のところ令和元年11月16日(土)を想定している。 旧制一高校長だった狩野亨吉の功績と残された資料群の利用価値について、調査結果を進め、それにより得られた知識を広く世間へ還元するため、駒場図書館において展示を行う。展示期間は令和元年7月1日(月)~15日(月)の予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、当該年度に狩野亨吉文書の撮影を予定していたが、調査を進める上で書簡類のうち、個人情報等の観点から配慮を要するものについて、調査段階で十分に検討してから撮影に入ることにしたため。
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Research Products
(6 results)