2017 Fiscal Year Research-status Report
A Basic Study on Primary Sources related to Urashima Legend in the possession of Itoi Bunko Library in Maizuru City
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17K02438
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
畑 恵里子 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50581229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 豊二 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (50311064)
西野 由紀 天理大学, 文学部, 准教授 (60584927)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糸井文庫 / 浦島伝説 / 近世浦島享受 / 丹後浦島史跡 / 黒本 / 黄表紙 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 糸井文庫浦島資料の【翻刻・語釈・抄訳・英訳】を行った。【作業終了】『水江浦島 対紫雲篋』『風流新版 竜宮曽我物語』/【作業継続中】『新版 竜宮洗濯噺 芋蛸の由来』『亀屋万年浦島栄』『しん版 うらしまたまてばこ』『亀屋万年浦島栄』『浦島仙人教訓奇談玉手箱』『祝言浦島臺』『浄瑠璃絵本 浦島太郎倭物語絵尽』『英訳版 fisher boy Urashima』『仏訳版 fisher boy Urashima』【論文・翻刻】(1)西野由紀「「名所図会」のなかの浦島伝説」(天理大学国語国文学会編『山邊道』第58号、2018年2月)、(2)畑恵里子・荒川吉孝・原豊二・西野由紀・園山千里・小室智子・吉野健一「舞鶴市糸井文庫蔵『風流新版 竜宮曽我物語』翻刻・語釈・抄訳および英訳」(舞鶴工業高等専門学校編『舞鶴工業高等専門学校紀要』第53号、2018年3月) 2 研究代表者が研究報告を実施した。畑恵里子「「舞鶴市糸井文庫蔵浦島伝説関連資料の基礎的研究」の報告」(立命館大学アート・リサーチセンター文部科学省共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点」研究拠点形成支援プログラム 研究プロジェクト2017年度成果発表会、平成30年2月23日、立命館大学) 3 立命館大学ARCのDBへ『水江浦島 対紫雲篋』『風流新版 竜宮曽我物語』などの翻刻を入力し、情報の充実を図った。 4 平成30年春期に向けた研究成果公開用の新規HPの開設準備を行った。 5 伊根など丹後地域におけるフィールドワークを実施した(平成29年8月)。浦島神社、網野神社、釣溜、皺榎などを見学した。浦島子孫として地元に伝わるかたへ聞き取り調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者・協力者による読書会を毎月1回程度定期的に開催し(於舞鶴市郷土資料館)、現物と照合しながらベース翻刻の作業を行ってきた。その後、ベース翻刻をもとに、分担者・協力者とメール審議を行ってきた。海外在住の協力者もいるため、メール審議は非常に有効的に機能している。しかし、読書会メンバーの予定が直前で整わなくなったり、豪雪などのため開催自体が不可能になったりするなど、読書会の実施が思いがけず不可能となることが複数あった。停滞なく作業を進めるためには、1年目(平成29年度)は5~6冊、2~3年目(平成30~31年度)は10冊程度を基準として、3年間の作業完了を目指す必要があるが、その目標には届いていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1 定例読書会を中止する。そして、平成30年度スケジュールを代表者が詳細に作成し、作業スケジュールを全員で共有した上で作業を行い、作業の効率化を目指す。メール審議を主軸とする。判読困難などの必要に応じて、代表者である畑が、現物照合をして翻刻を行う。特に平成30年は遅延を取り戻すため、意識的に多数の資料を扱うよう心がける。その際、メンバーの過度な負担とならないよう、代表者は注意してスケジュール管理を行う。 2 論文発表・学会発表の増加を目指す。翻刻・語釈が終了しなければ内容整理は不可能であるため、1年目にあたる平成29年度の実績はどうしても弱い。しかし、2年目以降は情報量が蓄積されるため、諸本を対比することも、あるいは、作品それぞれを掘り下げて分析することも可能である。比較文学・近世文学・宗教学・郷土史学・歴史学など、メンバーの関心や研究領域に沿った形で、意欲的に公表する機会を意識的に作ることとする。 3 数十本もの浦島関連資料、しかも【翻刻・語釈・抄訳・英訳】の作業を掲載しうる媒体自体が非常に少ない。単なる資料紹介にとどまらない内容であり、かつ、対象作品も多いため、学会誌の掲載のみでは限界がある。よって、研究成果公開用HPを新規に立ち上げ、国内外の研究者や一般国民、海外市民へ公開し、ブラッシュアップをはかる。 4 丹後地域のFWについて、何を扱い掘り下げるか、目的を一層明確にする必要性がある。丹後地域浦島享受とFWとの結びつけについて、絵巻などの史料調査と、地形・建築物・民俗学的資料などとが混同しているため、力点を整理する。話型受容とFW定義の再検討のためにも、まずは浦島話型を実地的に検証する必要性がある。これらの反省点を踏まえて糸井文庫資料の査定を行い、丹後地域の資料を抜粋する。その後、史跡と対比して、有効性の高いデータを抽出した上で効率的にFWを実施する。
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Causes of Carryover |
HP公開のためのサーバー契約を1年単位ではなく複数年単位で申し込んだり、専門業者ではなく本務校(舞鶴工業高等専門学校)の学生へHPの実装を依頼したりするなど、経費節減を心がけた。また、年度計画の若干の遅延によって、印刷物のための経費を本年度に執行することがなかった。よって、次年度は学会配布用リーフレットなどに充当する。
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Remarks |
制作/立命館大学アート・リサーチセンター 著作/舞鶴市、立命館大学アート・リサーチセンター
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Research Products
(4 results)