2019 Fiscal Year Research-status Report
Understanding modern "true record" and kodan literature: the origin and evolution of tales based on current and historical events
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17K02459
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
奥野 久美子 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (50378494)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 講談本 |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書では、4年間の研究期間のうち後半の2年間で、海外共同研究者のS.フィラー准教授を招いた本研究課題の研究会を開く、ということを、研究実施計画に入れていた。これに従い、2019年8月1日に研究会を開催した。研究会は「講談・講談本と近代文学」をテーマとし、国文学研究資料館にて行った。発表者と発表テーマは以下のとおりである。 (1)スティーブン・フィラー(アメリカ・オークランド大学近代言語文学部准教授)「歴史にちなんだ物語の改変―講談と町田康文学を考える」、(2)武田悠希(立命館大学非常勤講師)「『写真画報』・『冒険世界』における講談の推移と特徴」、(3)奥野久美子「〈探偵実話〉を冠する講談本について―国文学研究資料館所蔵の講談本を中心に―」 ほかにコーディネーターに青田寿美氏(国文学研究資料館准教授)を迎え、国文学研究資料館の講談本コレクションから多くの講談本を実際に書庫から会場に出してきていただき、手に取りつつ、たいへん発展性のある発表とディスカッションを行うことができた。これら発表内容の論文化を年度内に行うことはできなかったが、本研究課題最終年となる次年度に、成果を報告書にまとめることを計画している。また、次年度に同様にS.フィラー氏を招いて開催する研究会の計画についても、2019年8月から12月頃にかけて今回の参加者や、他の講談本等大衆文学研究に携わる研究者とも相談し、より拡大した合同研究会を開催する方向で決定した。 以上が本年度の研究成果であり、研究遂行と、最終年度へ向けての準備の役割も果たせたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記したとおり、交付申請書に記載していた研究会を計画通り開催することができ、充分な成果も得られ、次年度の計画も具体的に立てられたので、おおむね順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のとおりここまでの研究はおおむね順調に進んでいるため、次年度は本研究課題の最終年度でもあり、交付申請書に記載の計画のとおり、まとめとなるような研究会を、海外共同研究者のS.フィラー氏を招いて8月に開催予定である。そこでの成果なども含めて、報告書の形で論集を出せればと考えている。 ただ、現状では海外研究者の来日が制限されているうえ、研究会等の集会も自粛せざるをえない状況のため、いつ開催できるようになるのかわからない。研究会は海外研究者の来日や集会が可能になるまで延期したいが、年度内には終了せねばならないため、場合によっては国内研究者のみで小規模に開催するなど、情勢に応じて対応していきたい。
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Causes of Carryover |
今年度は、本研究課題以外の研究課題での出張(大学の個人研究費や、ほかの科研課題での研究費を使った出張)が増えた分、スケジュール調整がつかず、8月に行った海外研究者を招いての研究会関連以外では、ほとんど旅費がかからなかった。一方で次年度は、今年度同様に海外からの研究者を招いて研究会を行ううえに、次年度は本研究課題の最終年度のため、まとめの論集を報告書として刊行するための製本印刷費にかなりの金額がかかると予想されるため、残り予算は次年度に繰り越すこととした。
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Research Products
(3 results)