2020 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding modern "true record" and kodan literature: the origin and evolution of tales based on current and historical events
Project/Area Number |
17K02459
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
奥野 久美子 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (50378494)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 講談本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終年度である2020年度には、当初の計画では、海外共同研究者のS.フィラー氏をアメリカから招き、まとめの研究会を開く予定であった。また2019年末ごろには、2020年度に講談本をテーマに合同研究会や一般公開のシンポジウム等のイベントを開くことも、計画していた。しかしコロナ禍のため、フィラー氏の来日と、氏を招いての研究会は断念せざるをえなかった。2020年度は、2019年度に研究会を開いたメンバー、すなわちフィラー氏と武田悠希氏とともに、2019年度の研究会の成果を論文化し、報告書にまとめることを企画し、両氏の同意を得て計画をすすめ、2020年度末(2021年3月)に、この報告書を刊行することができた。論集のタイトルは『「講談・講談本と近代文学」研究成果報告論集』、収載論文はそれぞれ以下のとおりである。 「『写真画報』に掲載されたSF冒険小説の講談速記」(武田悠希)、「〈探偵実話〉を冠する講談本―〈官員小僧〉を例として―」(奥野久美子)、「社会主義者のストーリーテリングにおける「義賊」― 荒畑寒村、堺利彦、上司小剣の『社会講談』」(スティーブン・フィラー) それぞれ、2019年8月に開催した国文学研究資料館での講談本研究会での発表内容を、大幅に研究を深めて論文化したものである。奥野の論文は、本研究課題の中心テーマである事件もの講談本(落語速記本)を扱ったもので、研究課題に沿った成果が一論文としても提示できたと考えている。
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