2021 Fiscal Year Annual Research Report
Gender Studies on Representations of Siblings in Modern British Drama
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17K02489
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
岩田 美喜 立教大学, 文学部, 教授 (50361051)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | イギリス・アイルランド演劇 / 家族表象 / ジェンダー論 / 女性表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終年度にあたる2021年度(コロナウィルス感染拡大に伴う研究遂行上の困難により1年延長)には、研究の成果を単著として発表する作業に注力した。この単著は2022年度中の刊行を目指しているが、コロナ禍により学術出版にも多く遅滞が生じており、2023年度にずれ込む可能性もある。 その一方、論文の刊行と口頭発表においてはおおよそ予定通りの成果を上げることに成功した。口頭発表においては、2021年5月22-23日にオンライン学会として開催された日本英文学会第93回全国大会のシンポジウム第一部門「自分語りの詩人たちーー詩人の自己言及を考える」において、劇作家兼詩人であるW. B. イェイツの、少年時代の家族の思い出を通じた自己成型について論じた。 論文としては、英語論文を1本、日本語論文を2本発表(うち1本は印刷中)したが、英語論文については現代詩に見る土地の感覚と家族や自己の意識の関係を論じたものであり、イギリスの出版社より刊行された論文集に収録された国際的な業績である。日本語論文のうち1本はジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』の刊行百周年を記念した論集に掲載され、第九挿話で語られるシェイクスピア論の意義を読み直したものである。もう一本はリチャード・ブリンズリー・シェリダンの『悪口学校』における兄弟表象を取り扱った論文で、風習喜劇というジャンルを論じた論集に収録され、近日刊行予定である。 2021年度の成果では、本研究課題のテーマである「家族表象」と「ジェンダー表象」のうち後者があまり前景化されていないが、研究期間全体を通じて考えれば、2018年度、2019年度、2020年度等の研究成果でコンスタントにジェンダーの問題を扱っており、総合的にはいずれのテーマについても十分な成果が得られた。総合的な研究成果は上述の単著を通じ、まとまったかたちで発表される予定である。
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Research Products
(4 results)