2017 Fiscal Year Research-status Report
現代英米児童文学におけるジェンダーを超える女性像を提示する作品における男性表象
| Project/Area Number |
17K02504
|
|---|
| Research Institution | Kyushu University |
|---|
Principal Investigator |
谷口 秀子 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (70179092)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | ジェンダー / 女性像 / 男性像 / 児童文学 / ジェンダー越境 / フェミニズム童話 / ディズニーアニメ |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
研究課題「現代英米児童文学におけるジェンダーを超える女性像を提示する作品における男性表象」の実施にあたり、平成２９年度は、以下のことを行った。
（１）主に1970年以降の英米の男装作品、フェミニズム童話、強いヒロインを含む作品、ディズニーアニメ作品の収集を行った。（２）比較検討のため、ジェンダーにとらわれない女性像を含む日本の児童文学作品、マンガ、アニメなどの収集を行った。（３）フェミニズム童話などに関する研究書およびジェンダー関連文献などの収集を行った。（４）収集した作品の分析と分類を行い、データベース化に着手した。（５）本研究課題の研究によって得られた研究成果の一部を科学研究費研究課題「現代英米児童文学におけるフェミニズム童話の意義」の研究成果の一部に加えた内容を、国内外の学会において発表した。①"Children's Literature as Remedies for Children: The Child Misfit and the Adult Healer and Mentor in The Witch of the West Is Dead" (The 23rd Biennial Congress of IRSCL)、②「フェミニズム童話と「アリス」」（日本ルイス・キャロル協会例会）（６）本研究の研究成果の一部を一般市民向けの講演において発表し、研究成果を社会に還元した。「ディズニー作品に見るヒロインの変遷～シンデレラからモアナまで～」（糸島市男女共同参画センター）
以上の研究活動により、現代英米児童文学におけるジェンダーを超える女性像を提示する作品およびそれらの作品における男性像の概要をある程度把握することができ、今後の本研究遂行の基盤を作ることができた。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成２９年度の研究実施計画に記載した（１）主に1970年以降の英米の男装作品、フェミニズム童話、戦闘少女などの強いヒロインを含む作品、ディズニーアニメ作品の収集、（２）比較検討のため、ジェンダーにとらわれない女性像を含む日本の児童文学作品、マンガ、アニメなどの収集、（３）ジェンダー論、女性学・フェミニズム関連、現代史・ジェンダー史、社会学、児童文学などの関連分野の文献の収集、（４）国内外の図書館や研究機関での資料収集、（５)(６）収集した作品の分析と分類、およびデータベース化、（７）研究目的に掲げた観点から、ジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品における男性像と男性表象についての理論的考察、（８）論文執筆の準備、に関しては、おおむね計画通りに進んでいる。
英米のフェミニズム童話およびジェンダーにとらわれない女性像を描く作品に関しては、入手が困難な作品も少なくないため、今後さらに収集を進める必要がある。
平成２９年度における本研究の成果発表としては、研究発表２件（国際、国内、各１件）、市民向け講演１件がある。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成３０年度の研究成果をもとに、ジェンダーを超える女性像を提示する作品における男性表象と、そのような作品における女性と男性の関係の分析をさらに進めていきたいと考える。今後の主な研究計画は以下の通りである。
（１）引き続き、研究課題に関連した文献、資料の収集を行う。（２）図書館や研究機関などで関連情報および資料の収集を行う。特に、入手が難しく未収集の作品の収集に力を入れる。（３）収集した作品の分析・分類、ジェンダーを超える女性像を含む作品における男性像のデータベース化を進める。（４）以上にもとづき、ジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品における男性表象の分析と理論的考察を行い、論考を深化させる。（５）本研究によって得られた成果を学会などで発表する。
|
| Causes of Carryover |
（理由）（１）平成２９年度の科学研究費助成金で収集を予定していた英米の作品の中には、書店への発注後入荷までにかなりの時間がかかり平成２９年度中に入荷しないものがあり、それらを平成３０年度に購入することになったため。（２）平成３０年度以降に予定している国際会議での口頭発表と資料収集のための出張経費に繰り入れることにより、平成３０年度以降の研究計画に支障が出ないようにするため。
（使用計画）（１）研究課題に関連した書籍の購入。（２）国際会議における発表と資料収集のための出張経費への繰り入れ。
|
| Remarks |
講演
谷口秀子 「ディズニー作品に見るヒロインの変遷～シンデレラからモアナまで～」（糸島市男女共同参画センター「子育てが変わる！人生が変わる！“らしさ”の魔法を解く講座」）、2018年
|
Research Products
(2 results)
