2020 Fiscal Year Research-status Report
現代英米児童文学におけるジェンダーを超える女性像を提示する作品における男性表象
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17K02504
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷口 秀子 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (70179092)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 強い女性像 / 男性表象 / ジェンダー関係 / 男性性 / 女性性 / フェミニズム / 現代英米児童文学 / エンパワーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題「現代英米児童文学におけるジェンダーを超える女性像を提示する作品における男性表象」の実施にあたり、令和2年度は、以下のことを行った。
(1)平成29年度、30年度、令和元年度に引き続き、本研究課題に関連した作品、資料、関連文献などの収集を行った。 (2)これまでに収集した作品の分析・分類を行い、ジェンダーを超える女性像を含む英米児童文学作品における男性像のデータベース化をさらに進めた。 (3)本研究によってこれまでに得られた知見をもとに、ジェンダーを超える女性像を含む作品における男性像と男性性の分析と研究課題の論考の深化をはかった。 (4)本研究によって得られた成果の一部を以下の論文として発表した。 「Petronella における女性ヒーローと男性表象」(『言語科学』第 56 号)。 本論文では、女性ヒーローの冒険を描くフェミニズム童話である "Petronella" におけるヒロイン像とヒロインを取り巻く男性登場人物の表象およびヒロインと男性登場人物の関係性を、ジェンダーの視点から論じた。
以上の研究活動により、現代英米児童文学におけるジェンダーを超える女性像を提示する作品およびそれらの作品における男性表象についての分析、考察、理論化を進展させることができ、本研究を進展させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由) 研究実施計画に記載した(1)研究課題に関連した文献、資料の収集、(2)収集した作品の分析・分類、(3)ジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品における男性像と男性性のデータベース化、(4)ジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品における男性像と男性性の分析と論考の深化、(5)日本の作品との比較検討、(5)本研究課題の成果にもとづく論文の執筆、に関しては、おおむね計画通りに進んでいる。しかしながら、コロナ禍により、購入を予定していた洋書(英米のジェンダーにとらわれない女性像を描く作品およびフェミニズム童話作品や関連文献など)の注文の取り消しや入荷の遅れが多発し、作品の収集と分析にやや支障が生じている。また、コロナ禍のため、オンライン授業や校務の負担の増加に加え、国内外の学会などの中止や延期もあり、予定していた本研究課題の成果を反映した学会発表の機会を得ることが難しかった。作品や資料について今後も収集と分析を進め、研究課題に関する論考をさらに深めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題に関して令和2年度中に得られた研究成果について、さらに検討や精査を加えた上で、学会などでの口頭発表あるいは論文の形で発表するために、研究課題の実施期間を1年延長することにした。今後は、これまでの研究成果をもとに、ジェンダーを超える女性像を提示する作品における男性表象と男性性の持つ意味の分析を、さらに進める予定である。今後の主な研究計画は以下の通りである。(1)コロナ禍のため令和2年度中に入手できなかった作品や資料、関連文献などの収集を行う。(2)収集した作品の分析を続け、ジェンダーにとらわれない女性像を提示する作品における男性表象に関する分析と全体像の把握および理論的考察を行い、論考を深化させる。(3)本研究によって得られた成果の一部を学会発表や論文などで発表する。(4)研究全体の総括を行い、本研究が明らかにしようとしている課題についての論考の執筆の準備をする。
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Causes of Carryover |
(理由) 現在遂行している研究課題に関して、コロナ禍のため令和2年度中に入手できなかった作品や関連文献を収集し、令和2年度までに得られた研究成果について、さらに検討や精査を加えた上で、学会での口頭発表や論文などにおいて成果発表を行うために、助成金の一部を令和3年度に繰り越すことにした。 (使用計画) 次年度に繰り越す助成金は、研究課題に関してこれまで行ってきた研究を深化させ、学会発表あるいは論文において研究成果の発表を行うために使用する予定である。主な使途は、以下の通りである。(1)研究課題に関連した文献等の購入。(2)図書館、研究機関、学会などでの資料調査や研究情報の収集。(3)研究成果の発表(論文あるいは学会発表)に要する費用。
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Research Products
(1 results)