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2022 Fiscal Year Annual Research Report

Masculinity in Thomas Hardy's Novels

Research Project

Project/Area Number 17K02507
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

亀澤 美由紀  東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (60279635)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2023-03-31
Keywordsトマス・ハーディ / 男性性 / 物質主義 / モノ理論
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、トマス・ハーディの特に後期小説を分析対象として、ヴィクトリア朝後期における物質主義・消費文化が男性性構築とどのようなつながりを見せて描かれるかを研究した。2021年度においては『日陰者ジュード』をBill BrownのThing Theoryを用いて分析することにより、ジュードの内面世界が外界の事物を映し込むカメラ・オブスキュラのような構造をしていることを指摘した。ただし感染症の影響により、英国での資料の最終確認等を行うことができずにいた。それを補うべく、2022年度は、二回の渡英を通じて必要とされていた資料の確認を行い、それをもとに研究論文全体の最終調整をすることに多くの時間を費やした。また、渡英した際に訪ねたハーディ研究者らの知見をもとに、これまでの研究を今後の研究計画と照らし合わせ、その展望を得ることができた。
特に2回目の渡英に際して行った研究者らとの対談からは、ハーディのリアリズムからモダニズムへの変遷を、シュミラークルの概念を用いて論ずることの有効性を確認することができた。本研究の大きな柱は、物質主義とジェンダーとの関係においてハーディ文学の男性性をとらえ直すことであったが、この対談を経て、研究の軸を男性性研究からシュミラークルと「個」の関係を論ずることへと移すことの魅力・意義があらためて確認されることとなった。
本研究は次の科研費研究「Thing Theoryで読むハーディ文学――ジェンダーの揺らぎと「ひと」の解体」へと接続されており、ここで発見された新たな展望はそちらでさらに発展されることとなる。

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Published: 2024-12-25  

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