2020 Fiscal Year Research-status Report
ディケンズを中心とした近代英語の話法の発達を解明する研究へ向けたデータベース構築
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17K02525
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
島 美由紀 (西尾美由紀) 近畿大学, 工学部, 准教授 (50549524)
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Project Period (FY) |
2020-03-01 – 2023-03-31
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Keywords | コーパス |
Outline of Annual Research Achievements |
話法(speech presentation)を研究する際、計量的な研究が中心になされており、作家の文体的特徴を記述する研究はあまりなされてこなかったが、電子テクストの種類も増え、研究者が簡単にアクセスできるようになり、膨大なコーパスを研究に利用することも可能になった。本研究では、まずは、ディケンズの話法における文体的特徴を記述するため、ディケンズの電子テクストに、社会言語学的視点も加え、発話者、発話者の性別、社会階級、年齢などの情報を加える作業を行なっているところである。その際には、TEI(Text Encoding Initiative)のガイドラインに従い、入力作業を行なっている。TEIのガイドラインを採用した理由は、個々の研究者が、自分の研究を遂行するために、独自のアノテーションを付与した電子テクストを作成し研究しているが、埋め込んだアノテーションの書き方やタグの付け方が異なると、他の研究者が作成した電子テクストと比較することが難しい。本研究では、他の研究者と相互利用可能な電子テクストを作成することを目指し、作業を進めている。 昨年度は、発表予定の学会やシンポジウムがコロナの影響でキャンセルとなったが、本年度はシンポジウムにおいて、本研究の最終的な目標である、英語史における話法の通じ的な発達について発表し、中英語から現代英語までの話法、とりわけ直接話法と間接話法がどのように変化していくかを明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
アノテーションを受け込む際に、精緻な読みを必要とし、単純作業で埋め込むことができないこと、また聞き手の特定が難しい場合の基準を考慮する必要もあったため。また、手作業で1つずつ埋め込んでいるため、想像以上に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
学会のシンポジウムにおいて、本研究の最終的な目的である、話法の通時的な発達について、シンポジウムで発表する予定である。個人的な作業としては、ディケンズの作品の電子テクストに、社会言語学的な視点も含めたアノテーションをTEIのガイドラインに沿って埋め込む作業を引き続き進める。
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Causes of Carryover |
在外研究で海外にいたため、科学研究費の執行ができなかった。また、予定されていた学会が全てキャンセルとなったため、旅費の使用もできなかったため。 学会についてはオンラインでの開催となる可能性が高いこと、現在アノテーションを埋め込む作業を行なっているデスクトップのパソコンが古くなり、最近のアプリケーションが使用できないため、デスクトップのパソコンの購入を検討している。
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