2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K02547
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
城戸 光世 広島大学, 人間社会科学研究科, 准教授 (10351991)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 19世紀アメリカ文学 / 19世紀女性作家 / Travel Writing |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年は、アメリカ中西部での現地調査で収集した、19世紀西部開拓時代の女性たちの日記や旅行記などを整理する期間に主にあてた。それらの成果については、2020年に招待発表を予定していた学会シンポジウムや共著論文などで公開する予定である。本年度の業績としては、環境文学批評書『トランスパシフィック・エコクリティシズム』のスコット・スロヴィック氏による序文「トランスパシフィックな想像力と経験のエコクリティシズム」の翻訳が同書に所収され、日本アメリカ文学会の機関誌『アメリカ文学研究』にてTakayuki Tatusmi著Young Americans in Literature: The Post-Romantic Turn in the Age of Poe, Hawthorne and Melvilleの書評が掲載された他、9月28日に福岡大学で開催されたナサニエル・ホーソーン協会九州支部の研究会にて、Margaret Fullerを中心にEmersonやHawthorneらアメリカ・ルネサンスの作家たちの湖水地方訪問・滞在記旅行記を取り上げ、ロマン派詩人たちの影響や同時代の旅行記の影響を分析した研究発表「ポスト・ロマン主義者たちの聖地巡礼――アメリカン・ルネサンス作家たちとイギリス湖水地方」を行った。一方これまでの研究期間において取り組んできた19世紀アメリカ女性作家たちの旅行記や時代を広げての女性作家の旅表象については、これまでも各学会や研究会などで発表してきたが、2017年にピュリツァー賞作家Megan Marshallを迎えて行った国際ワークショップでの研究発表"Travellers in Ecological Communities: Rereading Sarah Orne Jewwett in the Age of Ethical Turn"を学会誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2月以降のコロナウィルス感染拡大防止の観点から、海外出張に行けず学会等も中止となり、またオンライン授業への対応や子供の世話にも時間が取られ、研究活動に支障が出ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に研究課題を終了する予定であったが、このコロナウィルス感染拡大防止のため、研究成果の発表を予定していた学会も中止(来年への延期)となり、諸々の対応や処置で研究時間が十分に捻出できないことが想定されるため、できれば一年研究計画を延長し、来年度終了予定としたい。今年はなかなか研究に取り組める環境にないものの、昨年のアメリカ西部出張時に収集したアメリカ西部の女性たちの様々な旅行記についてその特徴をまとめ、その成果を学会で発表し、論文にまとめていきたい。その出張時に訪れたオハイオ州シンシナティに住んでいたHarriet Beecher Stoweについては、今年秋の他大学集中講義や共著論文でも扱う予定であるため、今年は主にStoweやその姉Catherine Beecher Stoweやその他の西部在住・滞在女性作家たちを中心に研究を進めつつ、19世紀アメリカ中西部における女性たちの旅の実態やアメリカ東部の自然や社会との比較を、同時代のナチュラル・ヒストリーの言説や先住民観などと絡めつつ探る予定である。その成果は、今年度刊行予定のアメリカン・ルネサンス文学を取り上げた共著、および、ゲストスピーカーとして招待されている学会シンポジウム(来年秋に延期)などで発表する予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度は2020年に全世界的に拡がったコロナウィルスの感染防止対策などのため、とりわけ春休みに予定していた国外調査研究のための出張と学会発表と資料収集のための国内出張などがすべてできなくなったことが大きい。そのために予定していた携帯用PCの購入も見合わせることになった。2020年度は、すでに掲載が予定されている学会誌論文の印刷代、現在依頼されている論文や学会発表の準備に必要な書籍代、今年度開催の可能性はまだわからないものの、可能であれば秋の米カリフォルニア州で予定されているWestern American Literatureなどの国際学会への参加費用とそのための旅費、および必要となるであろう軽量な携帯用PCの購入にも充てたい。また資料整理および研究補助や英語論文校閲のための謝礼金なども予定している。
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Research Products
(2 results)