2021 Fiscal Year Research-status Report
Dissemination of American Character and Publishing: Rhetoric of Progressive Isolationism
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17K02551
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Research Institution | Gakushuin Women's College |
Principal Investigator |
佐久間 みかよ 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (00327181)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アメリカン・キャラクター / メルヴィル / ハーン / トウェイン / コスモポリタニズム / 孤立主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究のまとめとなるべく島嶼的観点とトランスナショナルな観点との接点での研究をおこなった。メルヴィルの後期に注目し、メルヴィルが1860年頃に準備していたとされる詩集の中にあるフランス人貴族の語り手によるイタリア統一に関連した詩群に注目して研究を行った。南北戦争へと進む分断の時代にメルヴィルが作り出した奇妙な語り手グランドヴァンという人物に着目し、その語りを分析し、メルヴィルの意図を探った。その成果を2021年6月アメリカ文学会東京支部会の例会において発表した。この詩はメルヴィルが晩年になって手を加えていたとされ、メルヴィル文学全体像とメルヴィルの目指したアメリカン・キャラクター像について考察する上で必要であるという感触をえた。この発表により、アメリカン・キャラクターが分断と統合によってどのように変化していくのか、その推移について、とりわけトランスナショナルな視座が必要であるという知見が得られた。 この視点は、一昨年度『アメリカン・マインドの音声』(小鳥遊書房)に寄稿した「音とオカルトーハーマン・メルヴィルとラフカディオ・ハーンのコスモポリタニズム」で研究したコスモポリニズムとアメリカン・キャラクターの関係について接合可能であると考えられ、アメリカン・コスモポリタンというキャラクターへと発展可能である。ラフカディオ・ハーンについてもさらなる調査を行った。メルヴィル関係で、海外資料調査ができない状況であったこともあり、国内で行える資料調査をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
資料収集を海外で行う予定であったが、新型コロナイルス感染症の流行のため渡航できず、十分な資料収集や調査ができなかった。とりわけ出版状況の調査に必要な資料収集を行うことができなかった。国内で資料収集できるラフカディオ・ハーンの資料収集を行い、研究方針を少し変更したため。
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Strategy for Future Research Activity |
海外での資料収集が可能になれば行い出版関係との研究を進めたい。不可能な場合は国内で閲覧できるデジタル資料と国内で資料収集ができるハーンに比重をおいていくことを考えている。そのため、アメリカン・キャラクターの19世紀的変容についてコスモポリタン的要素を加味して研究し総括をおこなっていく。
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Causes of Carryover |
これまで新型コロナウイルス感染症流行のため海外調査及び学会などを通じた渡航ができない状況であったが、次年度は渡航制限の解除に従い海外出張を行いたい。また次年度の海外の状況によっては、国内で調査可能なラフカディオ・ハーンとの関連に比重を変えて研究を行うこととする。研究年を1年延長申請を行うことで、これまで行えなかった資料調査を本格的に行い成果をまとめたい。
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Research Products
(4 results)