2017 Fiscal Year Research-status Report
ウィリアム・フォークナーの作品における住まいと暮らしに関する研究
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17K02555
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
島貫 香代子 関西学院大学, 商学部, 助教 (30724893)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ウィリアム・フォークナー / William Faulkner / アメリカ文学 / American Literature |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はウィリアム・フォークナーの『八月の光』、『野性の棕櫚』、『征服されざる人々』、『シャーウッド・アンダソンと他の有名なクレオールたち』における住まいと暮らしに関する資料収集と考察を行った。平成29年8月から9月にかけてミシシッピ州南部とルイジアナ州で現地調査を行い、上記の作品に加えて、フォークナーの非ヨクナパトーファ作品全般に関する新たな着想を得た。現在、これらの成果を発表原稿と論文にまとめているところである。また、平成30年4月発行予定の学会誌『フォークナー』の書評で、アメリカにおけるフォークナー批評の全体像をとらえる機会を頂き、多くの示唆を得た。さらに、アメリカ文学・文化や南部ルネサンスといった大きな枠組みのなかでフォークナー作品の意義についても再考することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に大きな変更がなく、一定の研究成果を収めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成29年度に行った現地調査の結果や資料収集の精査をもとに、フォークナー作品における生活空間の表象に関する研究成果をまとめることに注力する。具体的には、所属学会での口頭発表と、所属学会の学会誌や所属大学の紀要への論文投稿などを通して、研究成果を公表することを目指す。それと同時に、資料収集と文献精査を継続的に行う。当初はフォークナーの故郷ミシシッピ州オクスフォードとその周辺において現地調査を行う予定であったが、ニューオーリンズを舞台にした非ヨクナパトーファ作品に焦点を当てる機会が多いため、研究計画を変更して、ニューオーリンズのマルディ・グラが行われる2019年2月~3月に現地調査を行う方向で検討している。予算的に余裕があれば、フォークナー関連の資料があるテキサス大学オースティン校のハリー・ランサム・センターにおいても資料収集を行う。学会や研究会では、なるべく広い視野で研究を進めるべく、他のフォークナー研究者、アメリカ文学者、アメリカ研究者などと情報交換や意見交換を積極的に行い、本研究の考察をさらに深める。
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Causes of Carryover |
本年度の物品費と旅費の執行を当初予定よりも抑えることができたため、次年度使用額が生じた。次年度はマルディ・グラ期のニューオーリンズとフォークナー関係の資料が数多く保管されているテキサス大学オースティン校のハリー・ランサム・センターを訪問する予定であるため、その旅費に充てることとする。
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