2023 Fiscal Year Annual Research Report
Italian Influence on Elizabethan Drama
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17K02558
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
冨田 爽子 拓殖大学, 付置研究所, 客員研究員 (30197925)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 英国ルネッサンス / イタリア / メアリー1世時代 / エリザベス1世時代 / 印刷・出版業者 / 文化受容 / 著者 / 翻訳者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はエリザベス朝文学におけるイタリアの影響を出版の観点から考察するものである。前年度はエリザベス朝以前、庶民の間ではまだイタリアへの関心が芽生えていなかったという一般的な考えを再考察し、エドワード6世の治世に、既にイタリアの無意識的受容が行われており、出版に関しても、わずか6年間の治世の間に28冊ものイタリア関連の書物が英国内で出版された新事実を指摘した。本年度はこの事実を踏まえて、メアリー1世時代、エリザベス1世時代と、考察の範囲をテューダー朝全体(118年間)に広げ、英国で出版された全書籍の出版の中で、イタリア本がどのような位置に置かれているかを明らかにすべく、データベースの作成に取り組んだ。データベースはまだ作成途上であるが、この時代の印刷・出版業者や書物のジャンル、形態、著者、翻訳者の全体像を浮き上げらせたいと考えている。コロナの蔓延により、英国での研究が永らく行えなかったこと、英国での研究活動の中心であった、大英図書館がサイバー攻撃を受け、図書館の機能停止が続いたことなど、様々な障害にぶつかったが、既に蓄積してあった資料を活用して、データベースの作成は順調である。今年度はデータベースの構築に集中したため、研究発表は行えなかった。 今後もデータベースの完成を目指し、研究を続ける予定である。
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