2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural Hemingway: The Politics of Cold War Culture
Project/Area Number |
17K02572
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
塚田 幸光 関西学院大学, 法学部, 教授 (40513908)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クロスメディア / アメリカ / 映画 / 表象文化 / ヘミングウェイ / ニューディール / 冷戦 / 政治文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究成果は、1冊の単著、1冊の編著、1冊の共著、1編の論文である。単著『クロスメディア・ヘミングウェイ アメリカ文化の政治学』(小鳥遊書房)では、ヘミングウェイが生きた映像の世紀、モダニズム/ファシズムの時代を軸に、ジャーナル、フィルム、フォトグラフ、アート、そしてノヴェルといった政治とメディアを横断しながら、文化とメディア研究の更新を試みた。加えて、フォークナー協会の学会誌『フォークナー』(松柏社)には、論文「『ライフ』・ナショナリスティック―ヘミングウェイ、スペイン、ニューディール「南部」―」を寄稿した。他、編著『映画とジェンダー/エスニシティ』(ミネルヴァ書房)と共著『ヒッピー世代の先覚者たち 対抗文化とアメリカの伝統』(小鳥遊書房)に映画関連の論文を寄稿している。 本研究(2017 年度から2019年度)では、ニューディールから冷戦期を軸に、メディア的視座から、ヘミングウェイ文学と政治文化の交差を多角的に考察した。特に、文化の政治学をキーワードに、芸術と政治の関係性、キャノン生成のメカニズム、文学とナショナリズムの関係に焦点を当てた。メディアを通して見えてくるヘミングウェイのテクストに対し、従来の文学研究とは異なる視座で、ヘミングウェイのテクスト/コンテクストを捉え、アメリカ文化の政治学を再考した。その成果は、3年間で、2編の査読有り投稿論文、7冊の図書(1冊の単著、1冊の編著、5冊の共著)、5件の国内外の学会報告に結実している。単著書『クロスメディア・ヘミングウェイ アメリカ文化の政治学』はその顕著な例である。ヘミングウェイ国際学会や研究者間の情報交換、そして海外リサーチやフォトジャーナル『ライフ』や『ケン』などの実証的調査が、この単著書には集約されている。
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Research Products
(8 results)