2019 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the classical literary works on the basis of practical researches into 'Callimacheanism'
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17K02596
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| Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
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Principal Investigator |
大芝 芳弘 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (70185247)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 登 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (10507809)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | カッリマコス / 詩論 / 伝統と革新 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来から本研究組織が継続的に追究してきた、西洋古典文学における伝統と革新の問題を、特にカッリマコスの詩論すなわちいわゆる「カッリマコス主義」を基幹として、カッリマコスに先立つ文学や哲学における詩作をめぐる考え方との関連、カッリマコス自身の作品におけるその詩論の表明・展開と実践、そしてその詩学の影響を受けた後世の文学とりわけラテン文学における受容と詩作の実践に関して、作品それ自体の形式と内容の両面における綿密な観察と考察を通じて、実証的に究明しようとするものである。
本年度は、この課題への取り組みの最終年度に当たるが、この３年間を総括する形で２本の論考を執筆することができた。１つは、初年度以来続けてきたアリストテレース『詩学』およびホラーティウス『詩論』に関する検討・考察を踏まえて、第２年次から進めてきたホラーティウスの作品における詩論的言及の検討のうち、特に『書簡詩』1.19における詩人自身の詩的経歴の回顧の内実を考察する論考である。２点目は、プロペルティウス第３巻における詩作構想の問題を論じたもので、これも初年度からの継続課題の一つである、カッリマコスのプロペルティウスへの影響関係の問題をその重要な要素として含む。これらの考察を通じて、第２年次に進めたカッリマコス『アイティア』等の検討考察を生かす形で、特にホラーティウスおよびプロペルティウスに対するカッリマコスの顕著な影響関係の一端を明確にすることができた。このように本年度は、カッリマコス自身の代表作におけるその詩論的言及の考察を踏まえて、その後のラテン文学において最も「カッリマコス主義」の影響の顕著な二人の詩人たちの作品におけるその影響関係を具体的に跡づけ、ある程度その内実を明確にすることで、３年間の研究の成果を形にすることができたものと考えている。
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