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2017 Fiscal Year Research-status Report

A Mythological and Comparative Literary Study on the Tradition and the Innovation of Mythological Narratives in Greco-Roman Classical Literature

Research Project

Project/Area Number 17K02602
Research InstitutionInternational Christian University

Principal Investigator

佐野 好則  国際基督教大学, 教養学部, 教授 (50295458)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords西洋古典文学 / 神話 / 叙述技法
Outline of Annual Research Achievements

平成29年度の研究実施計画のうち、ホメーロス叙事詩に織り込まれた神話叙述の分析に関しては、8月に科研費によりオックスフォード大学への研究旅行を実施し、ボドレイアン図書館において貴重な文献を複写・収集した。帰国後9月に海外研究研究協力者のMalcolm Davies教授を招いて科研費により研究集会を開催し、『オデュッセイア』第12歌におけるセイレーンの描写に関してアポローニオスの『アルゴナウティカ』におけるセイレーンの描写との比較に関して示唆を受け、その成果としての論文を研究誌『ペディラヴィウム』に掲載・出版した。また『イーリアス』における登場人物が語る物語中の神話叙述に関する論考を平成30年度に出版するための準備作業を進めた。本研究のもう一つの柱であるプロメーテウス神話を題材とする作品中の神話叙述の研究については、8月のオックスフォード大学への研究旅行中に海外研究協力者であるMalcolm Davies教授、Stephen Harrison教授、Patrick Finglass教授との間で開催した研究会議により、伝アイスキュロス作『縛られたプロメーテウス』におけるイーオー神話とプロメーテウス神話の接合を新たな重点研究課題として設定した。それに関する研究文献をオックスフォード大学ボドレイアン図書館にて複写・収集し、3月に御殿場にて行われた西洋古典学研究発表合宿において『縛られたプロメーテウス』とアイスキュロス作『ヒケティデス』におけるイーオー神話の叙述の比較の観点から口頭発表を行った。また10月に本研究機関に招聘した海外研究協力者であるDouglas Cairns教授との間で開催した研究会および研究会議においてプラトーン対話編における神話叙述の研究についての示唆を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の一つの柱であるホメーロス叙事詩における神話叙述の研究に関しては、『オデュッセイア』におけるセイレーン神話の叙述に関する研究論文を出版した。また『イーリアス』における登場人物による物語中の神話叙述についての中間的な研究成果を来年度出版する準備を進めた。またもう一つの柱であるプロメーテウス神話を題材とする作品における神話叙述の研究に関しては、『縛られたプロメーテウス』におけるイーオー神話との接合というあらたな重点研究課題を設定し、参考文献を複写・収集し、口頭発表を行った。さらにこの口頭発表の内容を来年度論文として出版する準備を進めた。以上の理由により本研究はおおむね順調に進展していると判断することができる。

Strategy for Future Research Activity

本研究の一つ目の柱であるホメーロス叙事詩における神話叙述の研究については、『オデュッセイア』におけるセイレーン神話に関する論文を日本語で出版することができたが、さらに英語でも出版し研究成果を世界に向けて発信することを目指す。また『イーリアス』における登場人物による物語の中の神話叙述に関しては平成30年度中に中間的研究成果として研究論文を出版する準備が整ったが、さらに最終的研究成果として研究書の出版を目指す。本研究のもう一つの柱であるプロメーテウス神話に関する研究については、『縛られたプロメーテウス』におけるイーオー神話との接合の研究が新たな重点研究課題として設定されたため、イーオー神話の叙述を含むヘーシオドス『名婦のカタログ』、バッキュリデース『ディーテュランボス』5歌、アイスキュロス『ヒケティデス』における当該箇所に関する参考文献を複写・収集する必要がある。そのため国内、海外の研究機関図書館に研究旅行を実施し、それと合わせて国内外の研究協力者との研究会議を開催し、研究の方向性について示唆を得る必要がある。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 『オデュッセイア』と『アルゴナウティカ』におけるセイレーン・エピソード2017

    • Author(s)
      佐野好則
    • Journal Title

      『ペディラヴィウム─ヘブライズムとヘレニズム研究』

      Volume: 72 Pages: 7-25

  • [Presentation] 『縛られたプロメーテウス』におけるイーオーの彷徨譚2018

    • Author(s)
      佐野好則
    • Organizer
      西洋古典学研究発表合宿

URL: 

Published: 2018-12-17  

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