2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Mythological and Comparative Literary Study on the Tradition and the Innovation of Mythological Narratives in Greco-Roman Classical Literature
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17K02602
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
佐野 好則 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (50295458)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 古代ギリシア文学 / 『イーリアス』 / 『オデュッセイア』 / 『縛られたプロメーテウス』 / ヘーロドトス『歴史』 |
Outline of Annual Research Achievements |
『イーリアス』の新分析論の研究動向を概観しつつ、第16歌から第23歌のパトロクロスに関する叙述を「叙事詩の環」に属する『アイティオピス』におけるアキレウスの叙述と比較検討し、6月の西洋古典学会大会(於学習院大学)において口頭発表を行った。同内容の研究論文が2020年5月発行予定の学会誌に掲載される。『オデュッセイア』に関しては、第4歌、第8歌、第11歌の木馬の戦略の叙述を「叙事詩の環」に属する『小イーリアス』と『イーリオンの陥落』と比較しつつ各文脈での神話改変を検討し、6月のCeltic Conference in Classics (於コインブラ大学)において英語で口頭発表を行った。同内容の研究論文が2020年度中にコインブラ大学出版局より出版される予定である。悲劇『縛られたプロメーテウス』に関しては、イーオーの苦難の叙述と先行作品であるヘーシオドス『名婦のカタログ』、バッキュリデース『ディーテュランボス』第5歌、アイスキュロス『ヒケティデス』と比較して神話叙述の改変を解明する英語の研究論文を完成させた。これを掲載する論文集が2020年度中に出版される予定である。また『縛られたプロメーテウス』におけるイーオーの人物像に関する研究論文を執筆した。これを掲載する論文集が2020年度中に出版の予定である。さらに『縛られたプロメーテウス』におけるイーオーの旅路の問題点について英語で研究ノートを執筆した。これを掲載する東京大学西洋古典学教室が発行する論文集が2020年度中に出版の予定である。ヘーロドトス『歴史』におけるクロイソスとソローンのフィクションナルな会見場面をソローンの詩と比較した英語論文を作製し、Mohr Siebeck社より2019年6月に出版された。コインブラ大学での学会出席、ロンドン大学図書館での文献調査のための研究旅行、文献購入のために科研費を用いた。
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Research Products
(4 results)