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2019 Fiscal Year Annual Research Report

Kolomna and Dostoevsky in 1840s.

Research Project

Project/Area Number 17K02631
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

近藤 昌夫  関西大学, 外国語学部, 教授 (80195908)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsコロムナ / ペテルブルク / ドストエフスキー / プーシキン / ゴーゴリ / 夢想家
Outline of Annual Research Achievements

最終年度は昨年度までの調査(文学のコロムナ地区の特定)と研究成果(「田山花袋『蒲団』とドストエフスキー『貧しき人々』」)で得られた、都市小説の「対位法的な効果」(前田愛)を、さらに『ペテルブルク年代記』(1847)で検証した。
その結果40年代のドストエフスキーの作品のキーワードのひとつ、コロムナの「夢想家」が『白夜』で変容していることが明らかになり、研究結果を論文「『貧しき人々』と『ペテルブルク年代記』」にまとめ、共著Trends in Eastern and Western Literature, Medieval and Modern.(関西大学東西学術研究所、2020)で公表した。
本研究は全体構想(文学都市ペテルブルクを触媒にしたロシア近代小説の生成過程の解明)に基づき、先行する研究課題(課題番号23520409)の成果を伸展させ、ドストエフスキーの1840年代の作品とペテルブルクの特にコロムナ地区との関係を明らかにすることを目的とした。期間全体を通じての具体的成果は以下の通り。
(1)西東に分断された、病めるペテルブルクの産物とされるコロムナの夢想家が『白夜』において変化していることを明らかにした。(2)夢想家のキリスト教的博愛主義に指摘できる叛徒精神の原点がプーシキン、ゴーゴリのコロムナ物語に遡ることを証明した。(3) 文学のコロムナを特定した。(4)『貧しき人々』の主人公ジェーヴシキンに夢想家の元型を示した。(5)田山花袋の『蒲団』に瀬沼夏葉『貧しき少女』の未訳部分が少なからず影響を及ぼしていることを証明した。
これらの成果から、1840年代のドストエフスキーがしばしばコロムナを舞台にしたのは、文学的継承性がその理由ではないかとの仮説が得られ、今後仮説に沿ってコロムナ文学の体系化を新たな課題とし、冒頭で述べた全体構想のさらなる具体化を企図している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Book (1 results)

  • [Book] Trends I Eastern and Western Literature, Medieval and Modern.2020

    • Author(s)
      和田葉子、パトリック・オニール、近藤昌夫他
    • Total Pages
      222p
    • Publisher
      関西大学東西学術研究所
    • ISBN
      978-4-946421-77-8

URL: 

Published: 2021-01-27  

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