2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K02635
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田島 花野 東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (70757997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 圭介 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (30293278)
谷口 洋 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40278437)
矢田 尚子 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10451494)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 楚辞 / 中国文学 / 漢代 / 章句 / 注釈 / 王逸 / 詩経 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度前期は、本研究プロジェクトチームメンバー各人が分担する項目について、研究計画の最終段階を進めるよう努めた。しかし、昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症対策が実施される状況下で計画遂行への支障が継続した。 9月に例会をオンライン方式で開催し、メンバーのうち田島・大野・谷口・矢田・田宮と矢羽野隆男(研究協力者)が参加した。全四分担のうち、既に研究成果の発表に至り当初の予定以上に進展している一分担を除き、三分担で計画に遅延が発生していることを確認した。研究環境の改善がすぐには見込めず、本年度中に遅延を解消することは困難であると考えられる点から、本研究プロジェクトを一年再延長することを検討し、研究計画の変更についての議論を行った。また、一部の分担に関しては、国際中国屈原学会に備えて研究発表を行った。 11月に中国湖北省シ帰で国際中国屈原学会が開催予定であり、メンバーはオンライン参加を準備していたが、開催は新型コロナウイルス感染症対策により何度か延期され、最終的に年度内には開催されないこととなった。 令和4年1月に、researchmap掲示板でのやり取りにより各分担の進捗状況を再確認し、計画の遅延が解消されていないことから、本研究プロジェクトの延長申請を決定し、手続きを取った。 3月にオンライン例会を開催し、メンバー全員に当たる田島・大野・谷口・矢田・田宮・野田と矢羽野隆男(研究協力者)が参加した。本研究プロジェクトの延長が認められた場合の次年度の研究計画を議論し、分担ごとに最終的な成果発表に向けた具体的な計画を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画の4つの項目ごとに進捗状況を述べる。 (1)「王逸注の押韻」については、田島・野田が担当している。野田の助言を受けつつ、田島が具体的な検討作業を進め、一昨年度までに成果の一部を論文として発表した。9月例会で田島は「『楚辞章句』『招隠士』注の押韻」と題して研究発表を行った。 (2)「王逸注に見る屈原イメージの形成」については、矢田が担当しており、今年度に成果の一部を論文として発表した。9月例会で矢田は「『楚辞章句』王逸注について――Ⅰa形式を中心に――(仮)(再)」と題する研究発表を行った。 (3)「王逸注が楚辞学史に果たした作用」については、田宮が担当している。王逸『補注』・洪興祖『補注』・朱熹『集注』の三注の比較について、一昨年度に成果を論文として発表しており、研究計画は順調に進展している。 (4)「漢代詩経学と王逸注」については、大野・谷口が担当しており、今年度に成果の一部を論文として発表した。また、9月例会では大野が「(仮題)王逸『楚辞章句』と『毛詩鄭箋』」と題する研究発表を行った。 以上のように、4項目の全てにおいて成果の一部が論文として公刊されることになっった。引き続き、成果を論文として発表する準備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、前年度に引き続き4項目ごとに各自の研究計画を進める。メンバーの役割分担に変更はない。 今年度前半は、メンバー各自で研究計画を進める。この間の連絡手段としてはresearchmapのグループ掲示板を活用し、計画の順調な実施を図る。9月に第1回例会を、10月上旬に第2回例会を開催し、本年度前半の進捗状況と後半の研究計画を確認する。令和5年3月に第3回例会を開催し、6年間の研究期間を通じての計画実施と成果を振り返り、最終報告書を作成する。また、時期は未定ながら中国湖北省シ帰で国際中国屈原学会の開催が予定されており、成果の一部を発表できるよう、随時参加準備を進める。 研究成果の公開に関しては、以下の通りである。既に発表した雑誌論文はオープンアクセスとしているものが大半を占めている。オープンアクセスではない論文に関しては、公開方法についての議論を進める。
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Causes of Carryover |
令和3年9月下旬の第1回例会、10月上旬の第2回例会、令和4年3月の第3回例会に旅費を計上していたが、新型コロナウイルス感染症対策により全てオンライン開催となった。以上の理由により、当該年度の実支出額が当初の予定を下回った。 次年度9月・10月・3月に例会開催を予定しており、開催時期は未定ながら国際学会参加を予定している。対面での開催が可能な場合には、例会・国際学会の旅費に充てる。
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