2019 Fiscal Year Research-status Report
日中戦争時期重慶における民族主義文壇と国民党系知識人の内陸都市間連携
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17K02642
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
中野 知洋 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70372638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 俊 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (10380297)
中野 徹 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (20610512)
中村 みどり 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (30434351)
杉村 安幾子 金沢大学, 外国語教育系, 教授 (50334793)
齊藤 大紀 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (70361938)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 重慶 / 民族主義文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年6月29日に、近畿大学において2019年度研究例会を実施した。研究発表1名、また2人の講師を招いて講演を聴講した。その詳細は以下の通りである。 研究発表:高尾有紀(奈良女子大学大学院博士課程)「沈従文「三三」における語りと〈小爺〉」重慶に近い湖南省西部生まれの作家・沈従文の短篇小説における語りと、登場人物の視点について論じた。 講演:奥野行伸(近畿大学等非常勤講師)「雑誌『希望』について」重慶北郊の文教地区における路Ling等による雑誌の刊行に関する調査報告である。今泉秀人(大阪大学)「郷下人と原郷人─沈従文・鍾理和比較研究」沈従文と台湾作家との比較研究の成果を報告したものである。 2020年1月に、重慶及び近隣の地域を調査する計画で準備を進めたが、新型肺炎により計画はすべて中止に至った。1年間の期間延長を申請して認められたため、早急に体勢を立て直して、再度挑戦の機会を探っている。 研究代表者の中野知洋は、重慶で刊行された王平陵『女優之死』の特徴と国民党系文学の歴史における意味について講演を行い、現在その内容をまとめた論文を準備中である。研究分担者の杉村は、「徐Xu「歌楽山的笑容」試論――“鬼故事(ゴースト・ストーリー)”に仮託されたもの」と題して、重慶郊外の山・歌楽山を舞台とする「怪談」をめぐる研究を行った。また中村は、日中戦争時期の洪深の動向について、また戦時における日中研究者のつながりという視点から、陶晶孫と松枝茂夫の往復書簡について成果を発表した。齊藤大紀は重慶に隣接する湖南省西部出身の作家・沈従文の活動について、また中野徹は聞一多について研究を進め、現在論文を投稿済み、印刷準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
例年、年度前半に研究報告会、年度後半に調査旅行というサイクルで研究を進めてきたところだが、昨年度に関しては、新型肺炎の感染拡大に伴い年度後半の行事が中止に追い込まれてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
年度後半の2020年2月に、重慶及び隣接する湖北省武漢を調査する計画で準備を進めて来たところだたが、新型肺炎により中止のやむなきに至った。そこで、研究期間を1年間延長する手続きを取った。令和2年度を期して、再度の調査を実施し、その成果をまとめる方向で準備中である。
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Causes of Carryover |
2020年2月に重慶・湖北省武漢等において資料調査を実施する計画で準備を進めていたが、新型ウイルスの感染拡大により遂行不能に至った。そのため研究期間を延長し、年度後半の研究計画と、研究のまとめを翌年に持ち越すこととする。
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Research Products
(9 results)