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2017 Fiscal Year Research-status Report

Study on connection and break off of the culture in the North-East China at the point of colonization

Research Project

Project/Area Number 17K02650
Research InstitutionJapan Women's University

Principal Investigator

平石 淑子  日本女子大学, 文学部, 教授 (90307132)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords植民地化以前 / 文化の連続性 / 文化の断絶
Outline of Annual Research Achievements

植民地化以前と以後の文芸状況を、社会的文化的背景の変化に留意しながら、その連続性、もしくは断絶について考察することが、本研究の目的である。
近年、「満洲国」成立以後(中国では「淪陥期」)については、様々な分野に於いて研究が行われるようになってきており、文学研究に関しても、日本や中国において基礎的な文献(中国では『東北淪陥時期文学作品與史料編年集成』全45巻、日本では『満洲開拓文学全集』全9巻、『リバイバル〈外地〉文学選集』)などが発行され、また雑誌の復刻なども行われている。「満洲国」以後の、いわゆる「植民地文学」については研究体制がようやく整ってきたと言って良い。しかし、「満洲国」成立以前に当該地域にどのような人々により、どのような文芸活動が行われていたのか、という問題については未だ検討が為されていない。その主たる原因は資料が入手困難であることにもよるが、人々の関心がそこに向かない要因はむしろ、未だポストコロニアリズムの強い影響下にあることに求められるのではないか。もともと中国東北地域の抗日左翼文学に関心を持っていた筆者は、彼らの作品を解読し、彼らの活動を追う中で、彼らが抵抗したのは政治的な侵略だけでなく、社会的、文化的な侵略に対する抵抗でもあった、との感を強く持つようになった。植民地に関する関心を持ち続けることが我々の歴史上の大きな責任であることは言うまでもないが、「植民地化」が具体的にどういうことだったのか、ということを知るためには、それ以前を知らなければならない。それ以前と以後とで何が変わり、また何が変わらなかったのか、それが人々にどのような影響を与えたのか、その問題を考察することなしに「植民地化」を考えることは、まさに「画竜点睛を欠く」と言うことに他ならない、と筆者は考えている。本研究を竜に眼を画き入れるその一歩としたいと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究がやや遅れていることの原因は主として研究遂行途中での若干の方針変更にある。
植民地化以前の文芸資料を新聞紙上の詩から収集するという方針は変わらない。当初最も早期に現れる詩が「旧体詩」であるため、それを中心に収集、考察を行った。しかし1920年代に入ると「新詩」が登場し、新聞紙上に専用のコラムが設けられるようになる。当初は「旧体詩」の方が形式が定められている分、イメージが凝縮されて表現されるだろうと予想したのだが、一方「新詩」の作者と「旧体詩」の作者の間には世代間のギャップがあると考えられることから、「新詩」も合わせて検討対象とすることとし、収集対象を拡大したため、若干の遅れが生じている。

Strategy for Future Research Activity

植民地化以後の文芸関係の文献収集はほぼ終わっている。今年度は引き続き植民地化以前の資料収集を行いつつ、当初の研究計画に従い、20世紀初頭の中国東北地区の文芸状況について、その独自性を見出し、論考として口頭、または文章において発表を目指す。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由は以下の二点である。(1)購入した図書資料が当初の算定額よりも大幅に安価であったこと。例えば重要な資料の一つである『東北淪陥時期文学作品與史料編年集成』は、パンフレントなどによる当初の必要額はおよそ140万円であったが、実際はそのおよそ半額で入手出来たことなど。これにより、当初予定になかった書籍(『旅行満洲』『日華学報』など)を購入することができた。(2)海外出張を、分担者となっている他科研課題の出張費と併せて支出したこと。
残額は次年度収集した資料の整理のための人件費として使用したいと考えている。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018 2017

All Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 謝冰心とタゴール~「春水」と“Stray Birds”~2018

    • Author(s)
      平石淑子
    • Journal Title

      『春水』手稿と日中の文学交流

      Volume: 第一冊 Pages: 77~93頁

    • Int'l Joint Research
  • [Journal Article] 東京から-蕭紅書簡(下) 翻訳と注釈2018

    • Author(s)
      平石淑子
    • Journal Title

      日本女子大学文学部紀要

      Volume: 67号 Pages: 55~75頁

  • [Journal Article] “春水”随感2017

    • Author(s)
      平石淑子
    • Journal Title

      『愛心』

      Volume: 63期 Pages: 40~43頁

    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 謝冰心とタゴール-『春水』と“Stray Birds”2018

    • Author(s)
      平石淑子
    • Organizer
      第一回「東アジアの交流と文学」国際シンポジウム
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2018-12-17  

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