2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K02651
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小川 利康 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70233418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長堀 祐造 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (40208046)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 周作人 / 魯迅 / 陳独秀 / 胡適 / 銭玄同 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は「第1回周作人国際学術シンポジウム」(会議言語:中国語)を早稲田大学で7月7日、8日に開催した。内外から参加した研究者26名が論文を発表し、成功裡に閉幕した。中国国内では、周作人に関する学術会議の開催が許されない状況下にあるため、周作人昔遊の地である東京で開催したことに対する社会的関心も強く、当日の会議の様子については、『読売新聞』(2018年7月14日夕刊)、『朝日新聞』(2018年8月25日朝刊)で報道された。 今回のシンポジウムに対する学術的評価についても、顕著なものであったといえる。シンポジウムで発表された論文は、中国を代表する学術研究誌『現代中文学刊』(2018年6期)、『魯迅研究月刊』(2018年10期)、『新文学史料』(2019年1期)に掲載された。一つの会議で発表された論文が複数の学術誌に掲載されたのは極めて異例と言ってよいだろう。ここからも参加した研究者の学術水準の高さを裏づけるものといえる。 この会議の主題は『新青年』メンバーや周氏兄弟に限定するものではなかったが、大部分の研究は周作人だけでなく、魯迅、陳独秀、銭玄同らに係わるもので、関係する研究者を一堂に集めて討論が出来たことは大きな収穫であった。 上記のほか、韓国の現代中国文学研究者を招き、東京大学(駒場キャンパス)において、東京大学教授伊藤徳也氏が主催する「日韓現代中国文学ワークショップ」(2018年12月22日、23日)に共催者として参加した。ここでの韓国研究者との討議と交流も極めて有益なものであった。この成果を踏まえて、最終年度に研究の集大成を行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請時に目的とした陳独秀および周氏兄弟に関する研究で大きな成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を世界に発信するため、五・四運動百周年を記念して、「周氏兄弟と『新青年』グループ」に関する国際学術シンポジウムを早稲田大学で開催する。開催にあたっては、事前に小川利康が中国、韓国に出張し、旧知の清華大学教授王中忱、魯迅博物館副館長黄喬生、韓国梨花女子大学教授洪昔杓らの協力を要請し、中国、韓国からも専門家の参加を得て、『新青年』が東アジア全域に及ぼした思想的影響力も含めて討議し、論文集を刊行する。
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Causes of Carryover |
年度末に予定していた海外出張が受け入れ側の都合により、中止となったため。
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