2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-sectional research on acceptance and transfiguration of emblems in literature in the eighteenth and nineteenth centuries
Project/Area Number |
17K02655
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
出羽 尚 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (00434069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 三郎 日本大学, 芸術学部, 研究員 (00130477)
植月 恵一郎 日本大学, 芸術学部, 教授 (10213373)
松田 美作子 成城大学, 文芸学部, 教授 (10407611)
時田 郁子 成城大学, 文芸学部, 准教授 (60757657)
伊藤 博明 専修大学, 文学部, 教授 (70184679)
山本 真司 青山学院大学, 経済学部, 准教授 (80434976)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エドマンド・スペンサー / クロード・パラダン / パオロ・ジョーヴィオ / シェイクスピア / エドモンド・ウォラー / ハーマン・メルヴィル / ハンフリー・レプトン / クライスト |
Outline of Annual Research Achievements |
年度当初に設定した推進方策に基づき、各研究者が研究を遂行した。 出羽は、スペンサーの作品の挿絵の調査を継続、また、研究協力者の研究成果をまとめる研究報告書の作成を行った。植月は、17世紀イギリスの詩人ウォラーの鯨表象と19世紀アメリカのメルヴィルの鯨表象を比較した。前者は人間に襲われる実際の巨大生物への憐れみさえ見られるが、捕鯨産業全盛時代の鯨は商品でありつつ、ロマン派の想像力によって人類の追求すべき究極の謎にまでなっている。ウォラーの作品が『白鯨』に与えた影響にも言及した。松田は、カトリック派とプロテスタント派の信心を巡るエンブレムや絵画を中心に考察を進め、その成果をシェイクスピア学会において発表。山本は、レプトン(1752-1818)のイコノテクストに関する研究調査を行い、シェイクスピア作品を集めた『全集』(1791-1803) や『全集』(1858-60)の挿し絵表現とテクスト改変の関係からシェイクスピアのロマンス劇の改作上演を中心に、舞台装置や上演台本も参考にしながらシェイクスピア作品とエンブレム的背景の影響関係を考察。 伊藤は、パラダンの『英雄的ドゥヴィーズ集』の翻訳と研究を行い、田中久美子氏との共訳によって同書は、2019年11月にありな書房より刊行。また、ジョーヴィオの『戦いと愛のインプレーサについての対話』の翻訳と研究を行い、同書は2020年5月にありな書房より刊行予定。時田は、19世紀初頭のドイツ語圏で流行したメスメリスムに着目し、クライストの戯曲『ハイルブロンのケートヒェン』を分析して、クライストのメスメリスム観を明らかにした。この成果はまもなく論文として発表。クライストの図像との関係まで研究は進まなかったが、ゲーテが版画を手元に置いて図像のイメージを取り入れたことは論証できたので、『ファウスト』に関する既発表論文に加筆・修正を行った。
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Research Products
(13 results)