2017 Fiscal Year Research-status Report
Historical Research of the Ottoman Inscriptions
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17K02657
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
林 佳世子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30208615)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オスマン朝 / 碑文 / オスマン詩 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)「オスマン碑文データベース」の拡張 オスマン碑文データベースに、すでに申請者により現地調査済みのブルサ(トルコ)、エディルネ(トルコ)の碑文を解読の上、追加した。ブルサは109碑文、エディルネは58碑文である。解読にあたっては、碑文のある建造物に関するデータ(建物種類、建設者、建設年、修復者、修復年、住所、緯度・経度情報)、碑文に関するデータ(碑文種類、使用言語、現場での現況、含まれるテキスト、書家名、碑文詩の場合は詩の作者・韻律・詩の内容の要約、作成年)などを整理し、その情報をデータベースに加えた。また、写真撮影を含む現地調査は未達成ながら、研究書などから特定される碑文をデータベースに追加した(ブルサ:162碑文、エディルネ177碑文)。これらについては、追加の調査を予定する。また、イスタンブルにおいては、追加の調査を行い、「オスマン碑文データベース」の拡張を図った。 (2)オスマン碑文詩研究 「オスマン碑文データベース」に集積する碑文のうち碑文詩を含む碑文に関し分析を行った。平成29年度には、イスタンブルの、主に17世紀の碑文詩を対象に次の2つの角度からの分析を行った。特に、詩の形式・内容の分析をすすめた。分析のため、詩文だけを取り出し碑文詩コンコーダンスを作成に着手した。これを用いて、語彙・表現集を作成し、使用される単語や表現の分析に活用する準備を行った。また、代表的な詩の邦訳文を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度には、ブルサ、エディルネ、サラエヴォ、カイロの碑文のデータベース化を目的としていた。ブルサ、エディルネについては順調に進捗した。しかし、サラエヴォ、カイロの碑文のデータベース化は実現できなかった。一方、イスタンブルでの追加調査は順調に進捗し、成果をあげた。 一方、オスマン碑文詩研究については、碑文詩のコンコーダンスの作成に着手した。しかし、詩人とパトロンに関する分析については、次年度の課題として残された。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、調査済みの碑文データのデータベース化を進める。また、追加調査を実施する。コンコーダンスの充実をはかり、オスマン碑文詩研究を進める。
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