2017 Fiscal Year Research-status Report
台湾現代文学における多元性の再構築―新移民・LGBT文学を中心に
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17K02658
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
四方田 千恵 (垂水千恵) 横浜国立大学, 国際戦略推進機構, 教授 (70251775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 直大 広島大学, 総合科学研究科, 名誉教授 (10190612)
赤松 美和子 (佐藤美和子) 大妻女子大学, 比較文化学部, 准教授 (00510653)
及川 茜 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (40646725)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 台湾文学 / LGBT / 移民 / ダイバシティ / 国際シンポジウム / 翻訳 / マレーシア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は総合テーマ「台湾現代文学における多元性の再構築」のもとで設定した個別研究テーマに基づき、海外調査を含む研究を各自行い、その成果を第1回定例研究会(6月26日於東京大学)で共有した。また、2017年12月27日には台湾大学台湾文学研究所との共催で、国際シンポジウム「移民工文学与文学獎國際研討会」を開催、張正、阿溌といった移民工文学獎の主催にかかわる専門家の基調報告をもとに、知見を広め、またその結果を公開した。 さらに、各自が国内学会、国際学会などで個別に成果発表を行った。具体的には研究代表者の四方田千恵(垂水千恵)は2018年2月22-23日の両日に韓国円光大学で開催された「第四次 東亜殖民地文学国際会議」で論文報告「津島佑子試論;互補的想像力:從異族到野蠻」を行ったほか、北京師範大学においても3月13日-22日にかけて6回の講演を行った。 研究分担者の及川茜は2017年10月22日に開催された日本マレーシア学会で論文報告「塞がれない穴:黄錦樹の創作におけるマラヤ共産党」を行ったほか、合計3回の口頭発表および、2本の論文「サラワク作家のダヤク人表象」および「紅色的領路鳥:論李永平的「繆斯」朱鴒 」を刊行した。 さらに、研究分担者の赤松美和子は3本の論文「多元化台湾現地リポート(1)台湾文学の二つの挑戦――新移民文学と文白論争について」「多元化台湾現地リポート(2)台湾 離島の物語 ―― 金門島・蘭嶼・緑島が語る「中華民国」」「多元化台湾現地レポート(4)二〇一七年の現代台湾における日本時代―『花開時節』の「今日的戦略」」を また三木直大は1本の論文「海洋文学作家シャマン・ラポガンの多声体の語りの物語」を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究の成果として、2017年12月27日に台湾大学台湾文学研究所との共催で、国際シンポジウム「移民工文学与文学獎國際研討会」を開催、張正、阿溌といった移民工文学獎の主催にかかわる専門家の基調報告をもとに、知見を広め、またその結果を公開したことは、大いに評価できるものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
総合テーマ「台湾現代文学における多元性の再構築」のもとで設定した個別研究テーマに基づき、海外調査を含む研究を各自行い、その成果を各自で公開することに加え、平成30年度には二つの国際シンポジウムの企画を計画している。 一つは2018年5月27日に横浜国立大学で行う国際公開シンポジウム「台湾における婚姻平等化への道」である。 また、日時は未定であるが、台湾から鯨向海、陳大為といった詩人を招き、国際シンポジウム「台湾現代詩から見る多元的アイデンティティの再構築」を開催する予定で準備を進めている。
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Causes of Carryover |
台湾で国際シンポジウムを開くため全員の日程調整を図った結果、滞在期間が予定より短くなったこともあり、旅費の使用が予定より少なかった。 2018年度には日本において2度国際シンポジウムを開催するので、その際の謝金、講師招聘旅費などに使う予定である。
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