2019 Fiscal Year Annual Research Report
Toward an Integrated Theory of Narrative Renewal Based on Cognitive Narratology and Possible Worlds Theory
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17K02660
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片渕 悦久 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30278147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GARLINGTON Ian 関西外国語大学, 外国語学部, 助教 (30757323) [Withdrawn]
鴨川 啓信 京都女子大学, 文学部, 教授 (60314788)
小畑 拓也 尾道市立大学, 芸術文化学部, 准教授 (60364121)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 物語更新 / ストーリーワールド / ワールドネス / マトリクス / 物語論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、メディアやジャンルの枠を越え、同一の物語が形を変え再生産される現代表象文化に顕著な事象を包括的に解明することをめざして提案した「物語更新」の概念を理論的土台として、認知物語論および可能世界論という物語研究分野において注目されている最新の研究アプローチを取り入れることで、物語更新を分析する理論の発展可能性を探ることを目的としてきた。 これまでの2年間でメディアの変換を経て物語が再創造される原理やその形態、また更新された物語に関する受容のあり方などについて考察を深めてきた。研究最終年度にあたる本年度は、これまでの研究成果を統括し、新たな研究理論の完成を模索した。研究成果としては、研究代表者片渕が物語更新の継続的プロセスに関する理論的展開を記述した国際学会での研究発表を行い、また研究分担者鴨川がシェイクスピア戯曲の多様な語り直しに関する事例研究を雑誌論文として発表したことがあげられる。 なかでも片渕の研究発表、"Theorizing the Continuous Process of Narrative Renewal" は、更新が物語経験のたびにさまざまな物語の受容と創造が継続的に繰り返される事象であることを、ストーリーワールド、ワールドネス、マトリクス等の物語更新の解明に必要な概念説明とともに位置づけた点で、認知と経験にパラダイム・シフトした現在の物語論のトレンドと軌を一にするものであり、また物語の作り変えを考察するアダプテーション研究の動向を補完する意味でも、包括的な理論体系を確立する土台となったといえる。 本研究課題の研究期間ではじゅうぶんに達成できなかったが、今後は国際学会誌等への英語論文の投稿をめざし、当該研究課題の成果を国際的に発信することを継続していきたい。
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Research Products
(2 results)