2018 Fiscal Year Research-status Report
女性教育者とそのTransnational Networkに関する比較文学的研究
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17K02661
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小橋 玲治 大阪大学, 文学研究科, 招へい研究員 (60756435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 順光 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (80334613)
堀内 真由美 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60449832)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 女性教育者 / 安井てつ / E. P. ヒュース / Transnational Network / フィリス・オーフリー / サマセット・モーム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究二年目も各自がそれぞれの領域で研究を行った。 研究代表者・小橋は、初年度に行った英国ウェールズでの現地調査を基に、二度の国際発表を行った。ヒュースの地元であるウェールズで行われた教育関係の年次大会に、安井が一度目の留学中に参加していたり、二度目の留学中にはケンブリッジを辞した後のヒュースが暮らしていたバリーで講演を行っていたという事実を、ウェールズの地方紙に掲載の記事から発見し、報告を行った。また、ヒュースが来日時に行った、女性への登山を奨励した講演から、日本における女性登山への影響について報告を行った。 研究分担者である橋本は、インド人革命家とモームの関係についての調査に付随して、モームのオリエンタリズム小説が、日本で理想的な女子教育の寓話として翻訳されていたことなどを指摘し、小橋と同様タイ国日本研究国際シンポジウム2018での国際発表、他に一度の口頭発表、二本の論文執筆を行った。 同じく研究分担者である堀内は、旧英領カリブ海植民地出身の女性政治家であり作家であったフィリス・オーフリーについて、同地域を対象とする文化人類学の知見も借りつつ、彼女が小説にこめた「正確な故郷への理解」が、なぜ同胞との距離を縮めることにつながらなかったのかを分析し論文にまとめた。 これら個々人の研究の続行と並行して、最終年度に3人以外の研究者も招いて行うシンポジウムについて、それぞれが構想を立て相互に意見交換を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者である小橋は二度の国際発表を行うなど個人の研究としては充実し、分担者二人としても同様である。今年度は代表者の主な仕事の従事場所が異動し、前年度までと身分が変動したため、全員が集まる機会を得られなかったが、研究代表者として遠隔での3者の研究進捗状況の把握や、情報共有を可能なかぎり密にするよう心がけ、それを実行してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
この二年間と同様個々人がそれぞれの領域で自身の研究を行いつつ、互いの進捗状況を確認していき、最終的に他の研究者も招いてのシンポジウムを行う。
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Causes of Carryover |
研究分担者である堀内より年度内に配分額減額の申し出があり、その予算内で堀内はパソコンを購入することとなったが、予算額よりも少ない支出で収まったため差額が生じた。次年度には堀内の旅費等として使用する。
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Research Products
(8 results)