2019 Fiscal Year Annual Research Report
Basic study of inheritance for traditional culture of the Ryukyu-Okinawa and learning of the Ryukyu language
Project/Area Number |
17K02669
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
狩俣 恵一 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (60169662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田場 裕規 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (80582147)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 琉球語 / シマ言葉 / ウチナーグチ / 中央語 / 組踊 |
Outline of Annual Research Achievements |
琉球王府時代の言語文化の呪詞・歌謡・説話・芸能等は口頭で伝えられたが、それらの言葉には、琉球王府の支配層と地域及び庶民層では異なっており、地域別の相違もあった。また、支配層はいわゆる琉球文と称する文字を有しており、呪詞・オモロ・琉歌などを記録した。つまり、琉球の言語文化は、王府の言語文化と庶民層の島々村々の地域の言語文化に分けられるが、支配層のサムレー(士)の言葉(書き言葉と話し言葉)は中央語として機能した。 これは近世日本の将軍家中心の武家言葉が中央語として機能していたことに類似している。つまり、武家の話し言葉や謡本の書き言葉が中央語の役割を果たしたように、琉球国においても首里中央のサムレー(士)の話し言葉と組踊本・琉歌集の書き言葉である琉球文が中央語であった。 しかし、明治になって琉球王府が消滅すると、中央語の役割が薄れ、王府所在地の首里語(首里地域の言葉)と称されるようになり、地域語的な扱いを受けるようになったが、その一方で、那覇の言葉をはじめ、沖縄本島中南部の言葉と混淆し、更には日本語の影響を受けて、いわゆるウチナーグチ(沖縄方言)と称する新しい方言が誕生した。よって、ウチナーグチは、シマ言葉(地域語・方言)であると同時に、琉球王府の中央語の影響も強く受けている。 また、琉球語圏の奄美・宮古・八重山のシマ言葉(小集落の地域語の総称)も、日本語や首里の中央語の影響を受けて今日に至っている。 本研究の目的は、琉球の中央語の組踊・琉歌と小集落のシマ言葉について検討し、琉球の古典芸能継承のあり方を考察することにある。また、少数民族のアイヌ語継承の継承と併せて検討することで、シマ言葉継承のあり方についても考察することとする。
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Research Products
(8 results)