2018 Fiscal Year Research-status Report
Conditionals and topology; the origins of non-monotonicity
Project/Area Number |
17K02699
|
Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
今仁 生美 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (20213233)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田窪 行則 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の, 所長 (10154957)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 非単調性推論 / モダリティ / 位相 / 条件文 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自然言語において非単調性推論がなぜ発生するのか、その理由について考察を進めることを目標としている。特に、発生の理由の一つとして、非単調性推論と数学における位相との関係および非単調性推論とモダリティとの関係に着目する。 2018年度は9月中旬から下旬にかけて海外研究協力者であるコネチカット大学(アメリカ)の教授であるStefan Kaufmann氏およびMagdalena Kaufmann氏を招へいし、東京(国立国語研究所:立川)および名古屋(名古屋学院大学:熱田区)にてワークショップおよびセミナーを開催した。東京では、9月20日と21日に‘Semantics and Pragmatics workshop in Tachikawa’というタイトルでワークショップを開き、研究代表者、分担者、海外研究協力者の4名の発表を含む合計8件の発表を行った。また、時間と条件文におけるセミナーも開催した。さらに、名古屋では9月23日に海外研究協力者のStefan Kaufmann氏およびMagdalena Kaufmann氏によるレクチャーが行われた。名古屋では、研究協力者の宝島格氏(位相の数学を担当)も参加し、位相と非単調性推論の関係について議論を行った。 2018年度は、前年に引き続き、自然言語と位相の関係(特に自然言語における場所表現と時間表現の位相的関係)について、位相における境界、離散、区間といった概念が自然言語の分析に必要であることについて議論を重ねた。その結果をまとめたもの(執筆は研究代表者)は、現在、『場面と主体性・主観性』(ひつじ書房)にて印刷中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度は自然言語における場所表現および時間表現と位相の関係を分析したため、まだ具体的に条件文の分析を行うところまで到達していない。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究課題は変更なしで続ける予定である。2019年度は、これまでの成果を踏まえて、条件文において非単調推論性が発生する理由を解明する。また、海外協力者のStefan Kaufmann氏とMagdalena Kaufmann氏が教鞭を執るConnecticut大学に赴き、議論を重ねる予定である。なお、研究代表者は、2018年度からMagdalena Kaufmann氏との共同研究として日本語の条件文とモダリティの関係についての分析も進めており、Connecticut大学ではその内容についても議論を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
2018年度に行った合同研究会の回数が十分ではなかったため、2019年度に持ち越すことになった。また、初年度Connecticut大学に赴いた際、予測していた以上に移動費がかかり、また大学周辺の宿泊費も高騰していたのであるが、今年も同じであることはほぼ確実である。そのため、海外研究協力者との会合に参加するための旅費として昨年度の残額分を用いる予定である。
|