2021 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-speaker, dialectal and typological variation in complex predicate constructions
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17K02703
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山部 順治 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (00330598)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オリヤ語(オディア語) / オリッサ州(オディシャ州) / 統語論 / 人称・格制約 / 同一格制約 / 節縮約 / 類別詞 / 九州方言 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究期間をとおして、複文の統語的性質を中心に、事実を発掘・整理しそれらに理論的説明を与えた。研究対象言語は、主にオリヤ語(インド東部・オリッサ州で話される印欧語)で、補助的に日本語を扱った。当初の研究期間は令和1(2019)年度までであった。2020年3月に予定していたインド・オリッサ州での調査がコロナ禍のため実施できなくなり、本年度(令和3年度)まで研究機関を延長して機会をうかがったが、この間はついに実施することができなかった。 本年度(令和3年度)の研究実績は、次のようである。 (1)オリヤ語に関しては、インド・オリッサ州で令和1年度までに行なった調査で得られていた資料を整理し、それについて理論的に考察した。令和4年度実施予定のインド調査で使用するため、質問項目を整備した。主に、格、人称、節縮約、類別詞、有生性、コピュラ動詞が関わる事象を取り上げた。 オリヤ語に関する成果発表は、論文1件、学会発表1件。前者では、人称・格制約に関し、その適用範囲について話者間に見られる変異を報告した。後者では、同一格制約(同一文中で同一格名詞句の共起が排除される事象)に関し、オリヤ語の類型的特異点を明らかにした― 日本語を含む世界の諸言語における事例では、排除される対象(名詞句)の特徴が関与的なのに対し、オリヤ語の事例では、排除する場所(統語的文脈)の特徴が問題である。 (2)日本語に関しては、標準語と中国・九州地方の若年層方言における関連事象について、前年度までに得られた資料を整理するとともに、面接・アンケート・インターネット検索によって新たに資料収集を行った。これら資料に基づいて理論的考察を行った。 日本語に関する成果発表は、論文1件。前年度までに言語学の入門授業で継続してきたアンケ―調査の蓄積を結果をもとに、新規の混成語に適用されるアクセント規則とその話者間変異を報告した。
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Research Products
(3 results)