2017 Fiscal Year Research-status Report
危機言語教育に対する日本語教育の方法の適用(2)―沖縄語基礎語辞典の開発―
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17K02717
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
花薗 悟 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (40334453)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 琉球諸語 / 沖縄語 / 基礎語彙 / 危機言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は対象とする言語(沖縄現代首里方言)について、基礎語彙を定めそれについての詳細な辞書を開発することを目的とするものである。 辞書に収録する語の選定については当初、日本語教育関係の語彙表を参照しようとしたが、いくつかの検討を経たのち服部四郎編1957『基礎語彙調査票』、東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所編2000『基礎語彙調査票』などをもとに2000語程度の基礎語彙を仮に定め、沖縄語特有の語彙については執筆して行く過程で追加することにした。 執筆する項目についていくつか実際に書いてみてどのように書けば意味が理解しやすく、またその語を使って文を作成しやすいかについて検討をした。その結果、各語彙についてアクセント、品詞、活用(動詞・形容詞類)、意味、派生語・複合語・関連語彙、コロケーション情報を含む例文(沖縄語)と日本語訳というところに現在は落ち着いている。なるべく多数の例文を示し、多義語の場合は基本的・中心的な意味から周縁的な意味へと書いていき、派生語や類義語、対義語なども示して語の体系的な意味が理解できるように配慮しながら記述しているが、記述を進めながら項目の並べ方をも検討してより良いものにして行く予定である。 2017年度は上記の作業を約500語について行い、随時ネイティブの方のチェックをしていただいた。2年目である2018年度と3年目の前半で残りの語彙についても同様の作業を継続して行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象とする基礎語彙をどのように選定するかについてやや逡巡したが、上述のように方針を定め、基礎語辞典の粗稿の執筆を開始することができた。また初期の段階から沖縄首里方言のネイティブスピーカーと緻密に連絡を取り合い、電話や郵便を利用して、例文の適格性を判断して不適切な文を修正したり、コロケーション情報などを適格にする体制が整って来た。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度から始めた方法で着実に基礎語彙の記述を行っていき、基礎語辞典の完成を目指して行く。またその過程で着想を得た点については論文や研究ノートなどにまとめる作業をも並行して行って行く予定である。
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Causes of Carryover |
出張回数が予定よりやや少なかったことと、計画していた調査のためにネイティブスピ―カーを東京に呼ぶ予定が健康面から断念せざるを得なかったため。
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Research Products
(1 results)