• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2019 Fiscal Year Research-status Report

現代日本語に観察される書体の多様性に関する社会言語学的,音声学的研究

Research Project

Project/Area Number 17K02718
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

岡田 祥平  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20452401)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywords書体 / 音声 / パラ言語情報 / 非言語情報 / フォント / ステレオタイプ / 役割語
Outline of Annual Research Achievements

研究の最終年度となる本年度は,昨年度の研究で導き出した,現代日本語の文字言語に観察される多様な書体・フォントが持つと思われる二つの役割・機能(「語用論的な効果を伝える役割・機能」と「パラ言語情報と非言語情報を伝える役割・機能」)の妥当性を確認すべく,「発話音声を忠実に文字化したテレビ番組の字幕」(以下,「テレビ番組の字幕」と 表記)の用例を集めた。ただ,研究環境をめぐる諸事情に加え,本研究と発想と重なる研究成果が公刊されたことを知り(松田結貴 『ポピュラーカルチャーの詩学 日本語の文字に秘められたマルチモダリティ』風間書房・2019年),本研究の方向性や分析・考察の視点を再検討する必要が出てきたため,本格的なデータの分析を行うことができなかった。
本研究課題と発想と重なる研究成果が公刊されたとはいえ,現代日本語の文字言語に観察される多様な書体,フォントが持つ役割・機能を音声学的な見地からも考察するという点に独自性がある。それゆえ,音声に付随する形で文字が提示される,テレビ番組の字幕を対象に用例を収集し,分析を試みているわけである。この点に関連し,研究代表者が導き出した,(上述した)現代日本語の文字言語に観察される多様な書体・フォントが持つと思われる二つの役割・機能を,テレビ番組制作関係者は意識しているのかという点を探るべく,テレビ番組制作関係者に対するインタビュー調査も計画した。しかし,調査内容は決定したものの,諸般の都合により,調査自体を実施することはかなわなかった。
以上のように,研究は必ずしも計画通りに進まなかったわけであるが,本研究課題の成果の一部を社会に還元すべく,新潟大学教育学部附属長岡小学校の2年生を対象に,「音声と文字とのふしぎな? かんけい」と題する授業を行った。また,新潟大学に真田信治氏をお招きし,現代日本語の動態に関する講演会を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本研究課題の開始初年度から本年度に至るまでの3年間,研究計画を立てた際には想定していなかった学内業務の対応に追われ,本年度は心身のバランスを崩してしまったこともあり,分析・考察を思うように勧めることができなかった。さらに,前述の通り,本年度の初頭に,本研究課題と発想を同じくする研究成果が公刊されたため,研究計画自体も見直す必要に迫られた。それゆえ,研究の進捗状況は「遅れている」と判断せざるを得ないのが現状である。

Strategy for Future Research Activity

次年度は学内業務の負担軽減が見込めるため,これまでの研究活動の遅れを取り戻すべく,収集した用例のデータベース化と分析に着手する。また,本年度に計画した,テレビ制作関係者へのインタビュー調査を実施し,用例による分析と制作者の意識調査の結果を合わせ,現代日本語の書記言語に観察される多様な書体,フォントが持つ役割・機能に関する考察を深める。

Causes of Carryover

研究計画を立てた当初には想定していなかった学内業務に追われることになり,研究活動を計画通りに進めることができなかった。さらに,令和2年2月下旬以降,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大のため,令和2年3月に参加予定だった学会が中止となり,そちらに参加するための旅費なども執行できなかった。それゆえ,次年度使用額が生じてしまった。
次年度は,学内業務負担の軽減が見込まれるため,これまでの研究の遅れを取り戻すべく,データ処理のための人件費や成果発表のための学会参加費などに持ち越した金額を執行する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2020 2019

All Journal Article (2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] SNSを日本語研究資料として利用するための覚書―『日本語学』2019年4月号掲載の拙論に対する補遺として―2020

    • Author(s)
      岡田祥平
    • Journal Title

      新潟大学教育学部研究紀要 人文・社会科学編

      Volume: 12(2) Pages: 163-180

  • [Journal Article] 一語からはじめるSNSのことばの研究―SNSの「特性」と先行研究から、その可能性を考える―2019

    • Author(s)
      岡田祥平
    • Journal Title

      日本語学

      Volume: 38(4) Pages: 56-66

  • [Presentation] 現代日本語研究者が読む鮎川哲也2020

    • Author(s)
      岡田祥平
    • Organizer
      新潟大学教育学部国語国文学会 令和元年度 研究大会
  • [Presentation] 『ペドロフ事件』に描かれた,1940年代の旧満州地域における多言語状況2020

    • Author(s)
      岡田祥平
    • Organizer
      言語文化教育研究学会 第6回年次大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi