2022 Fiscal Year Annual Research Report
Sociolinguistic and phonetic study on the diversity of script styles in Modern Japanese
Project/Area Number |
17K02718
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岡田 祥平 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20452401)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 書体 / フォント / パラ言語情報 / 非言語情報 / ステレオタイプ / 新用法 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受けた社会情勢の混乱を理由とした研究期間の延長が認められた本研究課題であるが,昨年度も感染症の影響を受け十全な研究が行えなかった(昨年度の実施報告書も参照)。しかし,本年度も感染症を理由にした研究期間の延長が認められたため,本研究課題の遂行をすることが可能になった。 本年度も特に上半期を中心として感染症をめぐる余波は残ったわけであるが,昨年度に引き続き,2018年度の研究で導き出した,現代日本語の文字言語に観察される多様な書体・フォントが持つと思われる二つの役割・機能(「語用論的な効果を伝える役割・機能」と「パラ言語情報と非言語情報を伝える役割・機能」)の妥当性を確認すべく,研究補助者を雇用し,小規模ながら「発話音声を忠実に文字化したテレビ番組の字幕」の用例データベースの構築することを試みた。ただ,音響分析を意図したことから背景音(BGMなど)や発話の重なりがない部分を抽出しようとした結果,作業時間と比較してデータベース化できる用例が充分に確保できなかった。そのため,各種音声コーパスに格納されている音声をどのようなフォントで文字化するかという試みも行ったが,適切な方法論を構築することができなかったため,こちらについても十分な用例数を確保することができなかった。 一方,昨年度同様,今年度も,上述した用例データベースを作成する際に気付いた,(YouTubeで遭遇した)〈動詞の命令形〉や〈動詞の終止形+終助詞「な」〉に「てください」が後続した表現について小考を試み,学会発表を行った。また,SNSにおける表記の多様性に関する論考をまとめた。当該論考は研究年度内には公開が間に合わなかったが,何らかの形で公開できるようにしたい。
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Research Products
(1 results)