2021 Fiscal Year Research-status Report
機能的に対応するが意味的には対応しないサイン表現の日独比較
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17K02719
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西嶋 義憲 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (20242539)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サイン表現 / 機能的に対応 / 意味的に非対応 / 当たり前 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本とドイツの対応する公共空間に設置されている看板などに印字されたサイン表現を利用して、日独でほぼ同一の機能を果たしていると見なされる定型的な言語表現をフィールドワークにより収集し、その中から意味情報の異なるものを選定し、日独において提供される意味情報がどのように異なるのかを明らかにした上で、その理由を考察することにある。 今年度の令和3年度は、得られた資料の比較を通して、その意味の違いを考察した。その成果の一部は、5月に開催された日本フランス語学会主催の日本語・フランス語・ドイツの公共サインに関するシンポジウム(オンライン)、8月に開催された国際都市言語学会(オンライン)、そして、令和4年3月に開催された日独社会科学会(オンライン)の3学会で口頭発表した。シンポジウムでは、日仏独の3言語の公共サインの問題点が議論された。都市言語学会では、日本に見られる車ステッカーの特徴がドイツとの比較を基に提示された。日独社会科学学会では、外国人にとって理解しにくい日本語公共サインの問題点が指摘された。シンポジウムの内容は日本フラン語学会誌『フランス語学研究』に報告書が掲載される予定であり、後二者の発表内容は、1つはすでに国内学術雑誌『文体論研究』に掲載され、もう1つは共著論文集『Sustainable Societies』に収録される予定である。 また、上記の公共サインに関するシンポジウムの登壇者3名による共同研究として、2つの共著論文を執筆し、国際誌に投稿した。現在審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を複数の国際学会で発表する予定だった。しかしながら、多くの学会が不開催となり、関連する学会の研究者からの有益な批判的コメントを十分にもらうことができていない。それ以外は順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究成果を複数の国際学会で発表し、意見交換を行い、それをもとに論文を作成する。そして、その論文を国際誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、発表を予定していた国際学会が開催されずに旅費の執行ができなかったため。次年度(2022年度)において、研究成果の国際学会での発表に使用する予定。
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