2020 Fiscal Year Research-status Report
日本語相互行為における依頼・応答に見られる参与者間の相互調整:会話分析の観点から
Project/Area Number |
17K02721
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 誠 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70791979)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 依頼行為 / 会話分析 / 相互行為 / 文法構造 / 身体動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の本課題の実施状況は以下の通りである。 1. 本課題の研究チームメンバーは、2019年度に香港理工大学で開催された国際語用論学会(International Pragmatics Conference)でのパネル発表およびその際に得た多くのフィードバックをもとに、2020年度は研究成果を学術論文をまとめる作業を進めた。当初の予定では、2020年度中に学術誌Journal of Pragmaticsに特集号として論文集を発表することを目指していたが、新型コロナウィルス感染症の世界的な広がりの中、メンバーによっては勤務校において想定外の過重な学務を負うこととなり、作業が思うように進まなかった。そのため、補助事業期間を1年延長し、2021年度に論文集発表を完了することとした。 2. 前年度に引き続き、リサーチアシスタントを2名雇用し,既存のビデオデータ(①大学生協のパソコンカウンターにおけるサービス場面の相互行為、②日常会話,③少年サッカーの指導場面における相互行為,④マッサージ店における施術者と利用客の相互行為)の文字起こしを進めた。現段階で、データのおよそ9割の文字起こしを完了することができたが、2021年度も引き続き文字起こしを継続する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、本課題の研究チームメンバーのそれぞれが研究成果を学術論文をまとめる作業を進めたが、新型コロナウィルス感染症の世界的な広がりの中、メンバーによっては想定外の過重な学務を負うこととなり、論文執筆の作業が思うように進まなかった。そのため、補助事業期間を1年延長し、2021年度に論文集発表を完了することとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究チームメンバー5名のうち、すでに3名は論文の第一稿を完成させており、残り2名の論文についても完成間近である。今年度半ばには、研究チーム内で互いの論文へのフィードバックを行い、学術誌Journal of Pragmaticsに特集号として一連の論文を投稿する予定である。
|
Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウィルス感染症の蔓延のため、予定していた出張を実施することができず、よって旅費にあてていた費用を使用することができなかった。現時点では、2021年度も新型コロナウィルス感染症の収束が見通せないため、出張旅費を使用することはできそうにないため、研究アシスタントを雇用してデータの整理を行う予定である。
|