2019 Fiscal Year Research-status Report
多言語・多文化社会の言説におけるポライトネスの日独対照社会言語学的考察
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17K02726
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 仁 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 教授 (70243128)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ポライトネス / 隠蔽機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、まず2019年4月2日に早稲田大学のヨアヒム・シャルロート教授によって開催された国際ワークショップであるInvectivity: A New Paradigm in Cultural Studies?において、Die Invektiven verschleiernde Funktion der Spracheという題目でドイツ語の研究発表を行った。この国際会議には日本におけるポライトネス研究の第一人者である井出祥子教授も参加され、私の講演内容にもコメントしてくださった。また、2019年8月27日には札幌の北海学園で開催された日本独文学会主催のアジアゲルマニスト会議において、Die verschleiernde Funktion der Spracheという題目で研究発表を行った。この時は、ポライトネス研究の新たな方向性を示したオーストリア・インスブルック大学のKienpointner教授とも同じセクションで発表し、本研究の内容について議論した。以上は、本研究の目的と密接に結びつく研究成果である。さらに2019年9月16日には、中国陝西省西安外国語大学日本文化経済学院の毋育新学院長に招かれ、『社会言語学の観点から見た敬語の考察』という題目で日本語で講演を行い、2020年1月31日および2月3日には、韓国のソウル大学のSang Hwan Seong教授に招かれ、ソウル大学でDie verschleiernde Funktion der Sprache 及びソクチョでProbleme der kontrastiven Soziolinguistik Deutsch und Japanisch vom Gesichtspunkt der Hoeflichkeitsforschungという二つの講演を行った。Seong教授とは、その後共同研究を行うことが決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
さまざまな国際学会で研究発表を行い、ペギーダで有名なドレスデン大学のAlex Kaestner教授をはじめ、本研究とも密接に関連するドイツの教科書の問題を取り扱ったUlrike Hamann教授、ソウル大学のSang Hwan Seong教授など、多くの新たな研究者とも議論する機会を得ることができた。さらに、中国や韓国の研究者からも招待を受け、本研究の内容について発表することができた。その意味では本研究はある程度順調に進んでいるということができる。とはいえ、コロナ感染の危険が高まり、2020年3月18日に予定していたドイツ出張は断念せざるをえなかった。この時には、Duisburug大学の故Ulrich Ammon教授宅で、Ammon教授の弟子にあたるDirk Scholten博士およびWuppertal大学のBirte Kellermeier-Rehbein博士とも会い、本研究の内容について話し合う予定であった。さらに批判的談話分析のドイツにおける第一人者であるSiegfried Jaeger教授や、上にあげたAlex Kaestner教授、Ulrike Hamann教授とも会合する予定であったが、会うことができなかった。しかも2020年7月下旬にイタリアのパレルモで開催が予定されていたIVG(国際ゲルマニスト会議)も開催が延期されてしまったため「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
上にも記したが、2020年度は、ソウル大学のSang Hwan Seong教授やザールブリュッケン大学のStefanie Haberzettl教授らと、大阪およびソウルにおいて、あらたな国際合同会議を開く予定にしている。これについては大阪大学の国際合同会議の助成を受けることが決定しており、さらにソウル大学の助成を受ける予定にしている。さらにドイツ学術交流会(DAAD)からの助成も受ける準備をしており、大阪大学、ソウル大学、そしてザールブリュッケン大学もしくはベルリン自由大学と合同で研究発表会を開催し、本研究の延長線上にある諸問題について研究を深化させる予定である。コロナ感染によって世界の今後はさまざまな形で変化せざるを得なくなり、それはコミュニケーションの在り方全般にも関係する。さらに世界はグローバル化しており、日本でもドイツ、韓国同様、多言語化・多文化化が進んでいる。当然のことながら、これに伴う問題も多く生じている。それゆえ、今後は、そのような問題をいくつかのドメイン(領域)に分けて研究し、人文学の観点からその問題解決に貢献するべくそれぞれの知見を深化させていく予定である。他方、イタリアのパレルモで予定されていたIVG(国際ゲルマニスト会議)は延期されてしまった。同じセクションのとりまとめ役であるイタリアのウルビーノ大学のClaus Ehrhardt教授及びドイツのマインツ大学のRita Finkbeiner教授とともに、このIVGでの研究発表をもとにした研究論文集を編集・出版する予定であったが、それはこの期間中に行うのは極めて難しくなった。それゆえ、それが可能であれば、科研の期間を一年延長して、次年度に開催するIVGに参加し、これまでの計画をすべて実行することができればと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ感染の問題がひろがり、当初2020年3月に予定していた出張を断念せざるを得なかった。本来この時には、上述のように、Duisburug大学の故ウルリヒ・アモン教授宅で、アモン教授の弟子にあたるDirk Scholten博士およびWuppertal大学のBirte Kellermeier-Rehbein博士らとも会い、本研究の内容について話し合う予定であった。さらに批判的談話分析のドイツにおける第一人者であるSiegfried Jaeger教授や、ドレスデン大学のAlex Kaestner教授、ベルリン自由大学のUlrike Hamann教授とも会合する予定であった。ところが、残念ながら会うことができなかった。2020年7月に予定されていたIVG(国際ゲルマニスト会議)は2021年に開催が延期されてしまったためできればそちらに参加したいと考えている。
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Research Products
(5 results)