2021 Fiscal Year Annual Research Report
A research on the phonological system of lost texts of the dictionary "Yu-pian"
Project/Area Number |
17K02728
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
澤田 達也 京都産業大学, 外国語学部, 准教授 (20647599)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中国語学 / 中国語音韻史 / 辞書史 / データベース / 玉篇 / 佚文 / 玉篇佚文 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、字書『玉篇』の佚文資料を収集・分類しデータベースを構築した上で、その音韻体系の解明を目指すことである。6 世紀中葉に成立した字書『玉篇』は約16000 条に及ぶ大量の音注資料を収録し、7 世紀初頭に成立した韻書『切韻』同様、中国語音韻史研究において重要な資料となる。原本が伝存しない『玉篇』の研究には、残巻資料、『篆隸萬象名義』等の日本古辞書類、トルファン等からの出土文献類などを活用することとなるが、同時に各種古文献に引用される佚文資料も重要な研究対象となる。 佚文資料は先行研究によって約5000条が収集されているが、それぞれ個別の論考に分散しており統一したフォーマットを有していなかった。そのため、本研究ではこれらについて原資料との対照を通じて整理分類の上、佚文全体を包括するデータベースを作成することとした。 当初は3年の計画であったものの、担当者の研究環境の変化および新型コロナ感染症の流行の影響により2年間の延長となった。最終年度の作業概要は以下の通りである。 ①各種資料のデータベース化:最終年度までに計16種の資料についてデータベース化が終了した。対象となる「親字」は計1344条となる。そのほか、データベース化作業は進めているものの「検索システム」に組み入れていない資料が5種存在する。 ②音韻データの整備:前年度までに進めていた『篆隷萬象名義』音韻データとの紐づけについて、2021年度は特に『三教指帰注集』所収『玉篇』佚文の反切について整理を進めた。分析結果の一部はシンポジウム「古辞書・漢字音研究と人文情報学」(2022年3月)において発表した。 ③データベース検索システムの公開:データベース化が完了している資料を対象に検索システムを作成し、「玉篇佚文検索システム」としてweb上に公開した。「親字」・「巻」・「部首」・「本文」からの検索を可能とした。
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Research Products
(4 results)