2018 Fiscal Year Research-status Report
ナラティブに基づく言語研究の展開と医療分野への応用
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17K02731
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高永 茂 広島大学, 文学研究科, 教授 (10216674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 則宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (30325196)
吉田 登志子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10304320)
脇 忠幸 福山大学, 人間文化学部, 准教授 (50709805)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナラティブ / 質的研究 / 地域医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、ナラティブ・アプローチの手法を用いて地域社会で活動する医療者にインタビューを行ってデータを収集し、ナラティブ(経験の語り)を分析することを目指した。分析の目標は、地域医療を行う中でどのような変化や葛藤を経験したか、医療活動を行う際の心構えや工夫などを探索することとした。 今年度はまず予備調査を実施して、半構造化インタビューの方法を改良していった。とくに次の①~③に重点を置いて調査方法を考案した。 ①インタビューで得られたデータを、細切れの情報の集合としてではなく、一連のナラティブ(経験の語り)と位置づけること。②医療者を地域で生活するひとりの人間として捉え、 「生活者としての医療者」の姿を描き出すこと。③ 生活者の生の声をもとに、地域医療の現状と課題・問題点を抽出すること。 予備調査を終えた後、本格的なインタビュー調査を実施し、ナラティブの分析に入る計画であった。しかしながら、2018年7月に発生した西日本豪雨のため8月と9月に予定していた調査がすべてキャンセルとなってしまった。西日本豪雨の復旧が進んだ2019年1月からあらためて調査の準備を始め、現在インタビュー調査を続行中である。ある程度までインタビュー調査の資料が蓄積できたところで、整理と分析を開始する予定である。分析するにあたっては、ナラティブをライフストーリー研究の観点からとらえ直すことも計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年7月に発生した西日本豪雨の影響で、計画していたインタビュー調査がすべてキャンセルとなった。インタビュー調査の対象者が中国地方の医療機関に勤務する医療関係者であったため、豪雨被害への対応が最優先され、本研究への協力を得ることができない状況が続いた。同時に、研究代表者が居住している東広島市はとくに被害が大きく、公共交通機関ならびに道路の復旧に数ヶ月を要した。2018年12月まで西日本豪雨の影響が残った。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年(2018年)キャンセルとなった調査を再開し、現在島根県邑智郡邑南町において歯科医師と薬剤師の協力を得て、インタビュー調査を実施している。これから岡山県と鹿児島県においてもインタビュー調査を実施する予定である。約6ヶ月間研究が遅延することになってしまったが、これから精力的に調査、分析を進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究が遅延している詳細な理由は項目7で説明したが、2018年7月に発生した西日本豪雨が主な原因である。同年8月と9月に計画していたインタビュー調査がすべてキャンセルとなったため、調査費用が次年度に繰り越されることになった。2019年に入ってから新たに調査計画を立て、現在インタビュー調査を続けているところである。
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Research Products
(6 results)