2019 Fiscal Year Research-status Report
A Contrastive Study of Copular Sentences in Japanese and Korean
Project/Area Number |
17K02734
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
金 智賢 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 准教授 (40612388)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 猛 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (60311015)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | コピュラ / 名詞文 / 日韓対照 / 語用論 / 意味論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現代日本語と韓国語のコピュラ文の特徴を、形態・意味・語用論的な対照分析によって解明しようとするものである。「N1はN2だ」「N1だ」「N1はN2がN3だ」型の文など定型化した文に加え、「です」「の」等コピュラ関連形式、名詞止め文等を取り上げ、対照的に分析することで、日韓のコピュラとコピュラ文の特徴を包括的に把握することを目指す。 2019年度は、本研究課題の最終年度に当たり、残されたテーマとして(1)動作性名詞とコピュラ(「VNだ」型)、(2)日韓の拡張型コピュラ文(「N1はN2がN3だ」型)、(3)コピュラの連体形を含む名詞修飾構造(「N2の/であるN1」型)を取り上げ、分析を進めた。(3)については、学会で口頭発表し(「AはBだ」から「BのA」へ―いわゆる属格助詞の日韓対照を兼ねて―」、第263回朝鮮語研究会、2019/6/1)、学会誌にて発表している(同タイトル、2020年、『朝鮮学報』255:(47)-(88))。さらに、昨年度に取り上げた分裂文について、日韓で違いが目立つ特徴的な現象を追加的に分析した研究発表を行っている(「述語前置型分裂文」の日韓対照分析」第8回駒場日韓対照研究会、2019/10/19)。本研究全般に関わるコピュラの理論的なベースとなる内容をまとめ、韓国でも発表を行った(「韓国語と日本語のコピュラとコピュラ文に関する対照研究―日本語との対照分析を兼ねて―(原題韓国語)」第7回駒場日韓対照研究会、2019/8/27)。諸事情により学会などで発表せず、独自に進めているものを含め、以上の各テーマにおける研究成果は、書籍にまとめて出版することで公開する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の最終年度に当たる本年度は、昨年度の研究計画に沿ったテーマを取り上げ、まとめることができた。さらに、3年間の研究成果の集大成となる著書の執筆も順調に進んでいる。特に、本研究の最大の特徴である「有機的に関連し合いながら多様な言語現象に関わっているコピュラの働きをより包括的に捉える」ことが、著書の中で達成できたと考えられる点は、最終年度の大きな進展と言える。以上の理由から、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展していると判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、研究成果発表や著書出版などの理由で研究期間の1年延長を受けていることから、今後は著書による研究成果のまとめが研究活動の中核となる。その過程で、これまで取り上げられなかったコピュラ派生型接続形式やコピュラ派生助詞についての記述を加え、研究の精緻化を図りたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
3年間の研究成果の公開のため出版を進めているが、実際の本が出るまで時間がかかるため研究期間を延長している。次年度使用額は、出版費用として計上した金額が、延長年度まで繰り越されることによって生じているものである。次年度使用額は、全額出版費用として使用する予定である。
|