2017 Fiscal Year Research-status Report
Extracting the information of syntactic divergence from a Japanese-English parallel corpus and applying the data
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17K02740
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
大矢 政徳 目白大学, 外国語学部, 准教授 (60318748)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日英パラレルコーパス / 一語文 / 依存文法 / 依存木の構造的不一致 |
Outline of Annual Research Achievements |
『英語コーパス研究』第24号にて、"Syntactic Divergence Patterns among English Translations of Japanese One-Word Sentences in a Parallel Corpus" と題した論文を発表した。これは、日英パラレルコーパスに見られる日本語の一語文(単語一つから成る文)が対応する英文でどのように翻訳されているのかを、依存木の構造的不一致の観点から分類し、どのような不一致が頻出するかを計算し、日英翻訳における文脈情報の重要性を指摘した。この研究は、さらに多くの単語数を持つ日本語文がどのように英文へ翻訳され、その依存木間の構造的不一致の実態を知るという最終的目標を達成するにあたって、最も単純な構造を持つ日本語一語文から取り掛かるという初期的目標として位置づけられるものである。
さらに、英語コーパス学会第43回大会にて『日英対訳コーパス中の「~ことになる」構文とその英訳文間の構造的不一致』と題して研究発表を行った。これは、日本語の「~ことになる」構文が、対応する英文ではどのように翻訳されているのかを構造的不一致の観点から分類した結果を発表した。これは、日本語と英語との間で逐語訳的な対応関係を持たず一義的な翻訳が不可能な場合に、どのような翻訳可能性があり、それらの可能な翻訳文を恣意的にではなく一定の原理に沿って分類することが出来るのかについて、客観的なデータに基づいた示唆を与えるものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日英語パラレルコーパス全体の構文解析は終了しているが、その次の段階である主要な依存木間構造的不一致の抽出・頻度計算については進んでいない。さらに、英語学習者が産出した英文エッセイをまとめたコーパス中の依存関係タイプの使用実態についても研究テーマとして興味関心を持ち始め、構文解析・理論的考察を進めたため、本研究課題に取り組む時間がやや少なくなった点も指摘できる。
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Strategy for Future Research Activity |
日英語パラレルコーパスと英語学習者産出による英文コーパスの分析を並行して行い、その結果得られた知見を積極的に国内外の学会にて発表および論文執筆に取り組んでいく。具体的には、2018年6月にAsia TEFLにて研究発表を行い、その際に国内外の研究者から得たフィードバックをその後の研究に活用していく予定である。
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Causes of Carryover |
2017年度は当初計画と異なり国際学会への参加が無くその分を次年度に用いるのが理由である。 2018年度はマカオ大学で行われるAsia TEFLでの研究発表が決定しており、その旅費・宿泊費にあてる予定である。また今後、国際学会での研究発表も計画中である。
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Research Products
(2 results)