2018 Fiscal Year Research-status Report
日本人の英語発話モデルの構築―話ことばの日英対照研究を基に―
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17K02746
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
植野 貴志子 東京都市大学, 共通教育部, 教授 (70512490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 祥子 日本女子大学, 文学部, 研究員 (60060662)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発話モデル / 英語教育 / 話ことば / 日英対照研究 / 場の論理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、日本語と英語の話ことばの異なりを橋渡しすることを主眼とした英語教育のための発話モデルを構築することを目的としている。2019年度は主に以下の活動を行った。 (1)研究代表者と研究分担者で月2~3回のペースで研究会を行った。特に、日本語および英語の話ことばの諸現象を「場の理論」の観点から説明し、それを英語教育に活用する方法を議論した。 (2)日本英語教育学会・日本教育言語学会第49回年次研究集会で、研究代表者・研究分担者の共著により、口頭発表「日本人のための英語発話モデルの開発:“I”と“you”をどう教えるか」を行った。中高を含む英語教員より多くの意見を得ることができた。 (3)日本語と英語の話ことばの異なりを意識化させるために作成した教材(パワーポイント)を用いた授業を行い、学生からのフィードバックを得た。 (4)研究代表者・研究分担者を含む6名の共著により、国際ジャーナル(Journal of Pragmatics)に投稿した。論文中、「場の理論」に基づく話ことばの分析を試みた。これは、英語教育のための発話モデルの構築に向けた基礎研究として位置付けられる。 (5)『社会言語科学』(2018年12月)、『共創学』(掲載決定)等の執筆活動を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者、研究分担者で継続的に研究会を行い、そこでの議論に基づいて口頭発表、論文執筆を行うことができた。特に、日本英語教育学会・日本教育言語学会第49回年次研究集会で行った口頭発表(「日本人のための英語発話モデルの開発:“I”と“you”をどう教えるか」)に対して、フロアより多くの賛同や意見が得られたことは有益であった。また、作成した教材を用いて実際に授業を行い、学生からのフィードバックを得て、改良を進めつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)人称詞、問いかけ、プレゼンテーション等、異なる角度から日英比較を行い、その結果を英語教育に活用する試みを行ってきたが、2019年度は、文レベルでは、代名詞、時制、引用表現等、コミュニケーション・レベルでは、会話マネージメント、意見提示、繰り返し、あいづち、うなずき等に研究範囲を拡げる。 (2)英語母語話者の研究者の協力を得て、より精緻な日英対照研究を行うとともに、より効果的な英語教育の方法や発話モデルのデザインを議論する。 (3)研究成果を国際学会(国際語用論学会・香港)、および国内学会で発表し、他の研究者からのフィードバックを得る。 (4)日本英語教育学会・日本教育言語学会第49回年次研究集会で行った口頭発表を論文にまとめ投稿する。その他、国内外ジャーナルへの投稿を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由として、校務等の事由により出張を見送ったことが挙げられる。2019年度の使用計画には、以下が含まれる。論文出版費、国際学会(国際語用論学会・香港)で研究発表を行うための旅費、英語母語話者の研究者から日英語比較および英語教育についての知識提供を受けるための謝金、書籍購入費、英文校閲費等。
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Research Products
(8 results)