2020 Fiscal Year Research-status Report
石垣島での言語実践の言語人類学的分析:生活環境、儀礼・慣習、歴史的視座からの考察
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17K02747
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
武黒 麻紀子 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80434223)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 言語人類学 / 詩的実践 / 儀礼 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は新型コロナウィルスが流行してしまったため、フィールドワークに行くことは叶わず、一度も調査地に行くことはなく1年を終えた。しかし、フィールドワークができなかった分として出かける予定であった時間を、これまでに収集したデータの書き起こしを進めること、データの分析を行うこと、今までにやってきた分析を再度見直して新しい課題やトピックを見つけること、文献を読んで考えを整理したり理論的枠組みについて考察しなおすこと、そして論文を作成すること、といった作業に専念した。 その成果は、2020年12月にJohn Benjamins社から刊行されたBonding through Context: Language and Interactional Alignment in Japanese Situated Discourse (Risako Ide & Kaori Hata編)の本の中の第4章"Bonded but Un-bonded: An Ethnographic Account of Discordance in Social Relations" (pp.85-103)として出版された。 また、石垣島の旧盆のアンガマ儀礼の際の問答にみられるユーモア/笑いを詩的実践の一環ととらえ、言語、ジェスチャー、ピッチ、文化習慣、環境を含めた即興パフォーマンスの言語人類学的な分析を試みた。その研究成果は、2020年9月に第2回社会言語科学会シンポジウムにて、オンライン発表として公表した。 その時の登壇者や聴衆から得たフィードバックをもとに、2020年度の後半は少し視点を変えた内容を英語で論文にする作業に取り組み、学術雑誌に投稿をして、改稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドワークには行けなかったものの、出かける予定だった時間を分析や論文執筆に充てることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスが収まり次第、フィールドワークを再開し、儀礼のデータを収録に行きたい。2019年度ぐらいから本格的に着手し、2020年度に特に力を入れて取り組んだエスノ・ポエティックスのテーマに沿って、データを補充し、そこから新しい分析対象を見つける予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスのためにフィールドワークに行くことができず、旅費として計上していた分の経費が余ったため。
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