2023 Fiscal Year Research-status Report
石垣島での言語実践の言語人類学的分析:生活環境、儀礼・慣習、歴史的視座からの考察
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17K02747
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
武黒 麻紀子 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80434223)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 言語人類学 / 儀礼 / 詩学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は4月初めに石垣島に赴き、これまでに収集したデータの中で聞き取れなかった箇所や意味がわからなかったところを石垣島の話者に確認した。また、これまでの分析で不明確であった点や疑問点が多々出ていたので、それを尋ねて解決を図ることを試みた。 さらに、年度の前半は、Bloomsbury出版社からの編著出版を目指して、他の編者2名や執筆予定者らと膨大な時間をかけてやり取りを行い、プロポーザルを作成した結果、Poetics of Livingという題名での編著出版に向けた契約成立までこぎつけた。年度後半は、石垣島の豊年祭での詩的実践にまつわる英語論文執筆のためにデータを見直したり、追加で収集したデータを書き起こしたり、そこに記号論的な分析を加えて議論の充実を図った。 具体的には、石垣島の豊年祭で収集した役職者のスピーチや参加者の会話の詩的構築の特徴を経年で見ていった。さらに、祭礼の遂行やあり方をめぐって交わされる、昔・伝統、今・変革、そして無関心もしくは拒否といった複数の錯綜する「ディスコース」(cf. Hill 1998)にも着目した。道具や機器による技術的アフォーダンスもある中で、参加者の意識に上りやすいがゆえに議論や批判の対象となる言及指示的要素と見逃されたり、不問とされるコミュニケーション要素とが絡み合って動的な様相を呈し、年々行きつ戻りつしながら儀礼が行われている点を分析し、それを第18回動的語用論学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年から2年近くパンデミックの影響で調査に赴くこともなかなかできずにいたが、その分、溜めていたデータの書き起こしや見直しに十分時間をかけることができた。改めて確かめたい点が明確になり、再び調査に行くことができた時に確認できたことが転換点となり、これまで行ってきた民族詩学の分析に記号論的議論を加えるアイディアが浮かんだ。さらに、長い間頓挫していた海外出版社との交渉が2023年度はスムースに進み、出版に向けた契約も成立した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたるため、総括の意味でこれまでの分析や議論を英語の論文にまとめて秋までに出版社に送る。その後、査読者からのコメントを受けての修正、そして校正を経て出版に至る予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会参加に際し、大学の助成金を獲得できたために旅費がかなり浮いたため。
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