2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K02750
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
伊伏 啓子 北陸大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (40759841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
朱 鳳 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 教授 (00388068)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 近代西洋人による中国語研究 / 中国語文法 / 品詞分類 / 欧文資料 / James Summers |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は実施計画に記載した通り、19世紀の欧文資料(中国語教材)を用いた中国語の品詞分類法について研究を行った。18、19世紀の西洋人によって書かれた中国語文法書と教科書の構造の項目を調査分析し、各文法書や教科書が用いた中国語の品詞分類法の一部をまとめた。さらに、これまで調査・分析を行ってきた中国語の量詞についてさらに研究を進めた。 18、19世紀の西洋人によって書かれた中国語文法書の構造を見ると、その多くが著者の母国語(ラテン語、フランス語、英語など)の品詞分類法を用いており、西洋言語の品詞分類法に中国語を当てはめて便宜的に分類し、中国語文法書を書いていることがわかる。よって、当時の中国語文法書には中国語の品詞の定義に関する記述は見られない。しかし、細かく見ると著者によって分類が一部異なり、そこには当時の研究者の中国語に関する分析が見られることがわかった。平成29年5月には東アジア文化交渉学会において「近代欧文資料に見る中国語の品詞分類について」の題目で口頭発表を行い、研究の一部を報告した。中国語の量詞に関する研究は、平成29年10月世界漢語教育史研究會年會において「早起西方漢語教材里的量詞功能」の題目で口頭発表を行い、西洋言語の冠詞として説明される量詞の用法について発表を行った。 資料調査は、リオン市立図書館、マテオ・リッチ研究所図書館、カリフォルニア大学東アジア図書館にて本研究課題に関連する資料調査・収集を行った。特にリオン市立図書館では、19世紀のフランス人中国学者の著作を多数見ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では19世紀の欧文資料(中国語教材)を用いて、文法書の構造や項目を調査分析し、各文法書と教科書で用いられた品詞分類法の比較を行う予定であった。欧文資料の調査分析はまだ半分ほどしか進んでおらず、口頭発表を一度行ったが、内容の一部しか取り扱うことができなかった。19世紀西洋人中国語教材における品詞分類法の概説はまだまとめられていない。したがって今年度の研究計画と対照した場合、やや遅れていると言えるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は分担者とさらに2名の研究協力者を加えて、合計5名で主要な西洋人による中国語文法書と教科書について品詞毎に分析を行う。まずは、James Summers, 1863, A Hand Book of the Chinese Language.を一つの区切りとし、これ以前に出版されたVaro1703, Premare1720, Marshumann1814, Morrison1815, Remusat1822, Edkins1853, Edkins1857, Summers1863を調査対象として、「名詞、代名詞、動詞、副詞、漢字」の項目の調査分析を行う予定である。まず、Summers1863までの中国語教材を調査対象として品詞と主な項目について調査分析し論文を執筆する。その後は19世紀後半から20世紀初頭の主要な中国語教材も同様に調査分析を行う。Summers1863までの研究の一部は本年度秋に発表を行うことになっている。
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Causes of Carryover |
29年度は研究代表者が研究活動を主に行い、3人が揃う打ち合わせも1度のみであった。その為、旅費として計上していた予算の多くが未使用である。本年度は研究分担者と共に海外の学会にエントリーし、海外学会での発表を予定している。繰り越された経費は海外学会での発表のための経費に当てるつもりである。
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Research Products
(2 results)