2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K02750
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
伊伏 啓子 北陸大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (40759841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
朱 鳳 京都ノートルダム女子大学, 国際言語文化学部, 教授 (00388068)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 近代西洋人の中国語研究 / 来華宣教師 / 中国語文法書 / 中国語教科書 / 品詞 / 欧文資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は『文明21』第46号(愛知大学国際コミュニケーション学会)にて、「特集:近代西洋人による中国語の品詞研究」と題して代表者と分担者一名、そして協力者が3本の論文を発表した。メンバー二人はそれぞれ形容詞と前置詞について19世紀前半に西洋人によって作成・出版された中国語文法書の記述を整理し、協力者は19世紀中葉に出版されたJ.サマーズ著A Hand Book of the Chinese Language.に見られる動詞の分析と考察を行った。また、分担者一名は同時代の中国語で書かれた西洋料理書《造洋飯書》(1866)の中国語を分析し、動詞と量詞、時間表現について整理し論文を発表した。代表者も同じく同時代に中国語で書かれたカテキズム《小問答》(1874)の言語特徴と文体を分析し論文を発表した。 さらに代表者は、オンライン(中国・鄭州大学)で開催された東アジア文化交渉学会第12回年次大会にて、アメリカ人来華宣教師T.P.クロフォード編訳《讚美詩》(1870)について、その成り立ちと言語的特徴について報告した。特に、賛美歌が方言から官話に書き換えられる過程においてみられる語彙や表現の変化や共通点について指摘した。 19世紀に西洋人によって作成された中国語文法書と彼らが中国語で書き残したテキストの両方を分析し考察することによって、さらに近代西洋人の中国語研究の一端を明らかにすることができると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
この1年間は新型コロナウイウルス感染症流行の影響が続き、当初計画していた国際シンポジウムでの報告が延期となった。また、代表者は学内業務の多忙により、当初予定していた研究計画を実施することができなかった。そのため、やむを得ず、1年延長することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度で実施出来なかった研究計画を実施し、令和4年3月をもって、本研究を終了する予定。 具体的な計画は次の通りである。 1.19世紀前半に西洋人によって作成された中国語文法書にみられる「助詞」「感嘆詞」を整理し、分析する。 2.19世紀前半に西洋人によって作成された中国語文法書にみられる「名詞」「数詞」「量詞」と「冠詞」に関する記述を再考する。 3.上記1と2の考察を論文にまとめ、国内外の学会で発表する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行の影響により、海外で開催が予定されていた国際シンポジウムが無期延期となり、報告出張が実施できなかったため。
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Research Products
(8 results)