2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K02754
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
金 情浩 京都女子大学, 文学部, 准教授 (70513852)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 選好語順 / ジェスチャー / 手話 / 脳機能イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちが普段使うことば(手話を含む)には決まった語順(基本語順)があり、特別な理由がない限りその語順に沿って言語活動を行っている。日本語と日本手話はSOVを基本語順とし、英語はSVOを基本語順とする言語である。両言語は主語が目的語より先行するSO言語という共通点を持つが、動詞の位置に違いが見られる言語でもある。このことから、日本語母語話者と英語母語話者の語順処理には何らかの違いがあることが予測される。そこで、本研究課題ではジェスチャーに着目し、非言語的に事象を把握する際にも個別言語(日本語、英語、手話)の基本語順が選好されるかを認知脳科学の観点から明らかにすることを目的とする。また、瞬時に呈示された出来事を理解(処理)する際の脳内処理が、母語の選好語順(基本語順)と関連性があるかどうかを解明する。 初年度の本年度は、研究課題に関する先行研究を調査すると同時に、刺激文の作成に重点を置き研究活動を行った。特に、手話話者が日本手話(Japanese Sign Language: JSL)と日本語対応手話(Signed Japanese)のそれぞれを脳内でどのように理解(処理)するか、さらにはジェスチャーの理解(処理)とはどのような相違、あるいは共通するところがあるかを明らかにするため、刺激文作成に十分な時間をかけて検討を行った。また、刺激文作成の際は、ジェスチャー研究の専門家からのアドバイスのもと(研究趣旨と刺激文との整合性と注意事項等)、細心の注意を払いながら取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最初に作成した刺激文の問題点を改善・再検討に予定より時間がかかり、当初予定していた初年度のスケジュールよりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
手話とジェスチャーの専門家と十分な議論を行い、刺激文がほぼ完成し最終確認段階にある。また、fMRI実験の日程調整も現段階では問題なく予定通り実施可能で、被験者との日程調整に問題がなければ2年目のスケジュール通り研究課題を遂行できる見込みである。
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Causes of Carryover |
初年度に予定していた調査が、刺激文の調整に時間がかかり実施できなかったので、調査の協力者に支払う予定だった謝金経費が残る状況に至った。初年度の繰越金は2年目の調査とfMRI実験の謝金として支出予定である。
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