2021 Fiscal Year Annual Research Report
Toward the understanding of the functional significance of language-sensitive P600 effect
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17K02755
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大石 衡聴 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (40469896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 大地 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (00707979)
荒生 弘史 大正大学, 心理社会学部, 准教授 (10334640)
矢野 雅貴 九州大学, 人文科学研究院, 助教 (80794031)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 文理解 / 事象関連電位 / P600 / 前頭部陰性電位 / 感情 / 統語逸脱文 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度に実施した研究によって得られた知見に基づく実験を実施し、その成果を公表した。具体的には、中性感情誘導後に統語逸脱文を読んだ際には P600 成分のみが観察されたが、その後ポジティブ感情誘導を経て同様の統語逸脱文を読むと P600 に加えて前頭部陰性電位が観察されたことからポジティブ感情誘導により快度および覚醒度が上昇したことによって文の統語的側面へのセンシティビティも上昇したという主張を受け、感情誘導の順序を逆にして同様の文理解課題実験を実施した。まずポジティブ感情誘導を行なったところ、快度は有意に上昇したが覚醒度は有意には上昇しなかった。ポジティブ感情誘導後に統語逸脱文を呈示したところ、P600 は観察されたが前頭部陰性電位は観察されなかった。その後、中性感情誘導を行ってから同様の統語逸脱文を呈示したところ、P600 も前頭部陰性電位も観察されなかった。ポジティブ感情誘導によって覚醒度が有意な上昇を見せなかったのは想定外であったが、前頭部陰性電位が観察されなかったことにより、昨年度の実験で観察された前頭部陰性電位が覚醒度の上昇によるものであり、快度とは関連していないことが明らかになった。この成果は2022年2月に開催された第7回坂本勉記念神経科学研究会にて口頭発表を行っている。加えて、ポジティブ感情とは対局にあるネガティブ感情へと誘導を行なった後で統語逸脱文を呈示した際の ERP 反応を観るための実験も実施しており、その成果を発表するための準備も進めている。
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Research Products
(1 results)