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2019 Fiscal Year Research-status Report

清代供述文書の語彙と文体に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 17K02757
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

奥村 佳代子  関西大学, 外国語学部, 教授 (10368194)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywords資料調査
Outline of Annual Research Achievements

今年度は学術研究員としてローマに滞在し、ARSI(Archivum Romanum Societatis Iesu,ローマイエズス会文書館)において、中国関連デジタル資料である全Jap.Sin(Jap.Sin、Jap.Sin1、Jap.Sin2、Jap.Sin3、Jap.Sin4)を閲覧、档案資料の確認を行った。また、Archivio Storico Di Propaganda Fideにおいて、中国関連書写資料(S.C Indie Orientali e Cina 第1冊から第40冊、S.C Cina e Regni Adiacenti第1冊から第35冊、S.C Miscellanea、Lettere delle Cina、Procura Cina Scatola)を閲覧し、漢字資料の所在調査を集中的に行った。これらの文書館には詳細な目録がなく、すべての資料を一枚一枚確認をする必要があったため、多くの時間を要したが、一通り目を通すことができた。
特にArchivio Storico Di Propaganda Fideにはポルトガル宣教師モランの档案資料については、すでに他機関で公表されている資料以外に補足するべき資料があり、言語面および形式面の比較調査の対象資料を新たに得ることができた。
さらに、報告書や書簡の中で、ある人物が話した言葉として地の文とは書き方を変えている部分を含む資料をいくつか確認することができた。詳細については今後調査をしていく必要があるが、供述や話された言葉として記述された中国語を含みもつ資料は他にも存在する可能性があり、所在調査の必要性を理解することができた。
また、Archivio Storico Di Propaganda Fide所蔵のモランの档案資料はじめ、話された言葉とそうではない部分とが区別して記述されている資料に関しては入力作業を終えた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題の研究計画を書いた時点では予定していなかった、学術研究員としての1年間の海外での研究の機会を与えられたため、新たにイタリアでの資料調査を行うこととなったが、ローマの文書館での調査が予想以上に時間を有した上に限られた時間で行わなければならなかったこと、また想像以上に関連資料が所蔵されていたことにより、資料の確認と整理に時間を要することとなったため、現在までの課題の進捗状況は遅れている状況である。
また、本課題の研究対象である『欧州所蔵雍正乾隆期天主教文献彙編』(呉旻、韓琦編、上海人民出版社、2008年)所収のAMEP(Archives des Missions Etrangeres de Paris)所蔵資料の原文との照合確認及び所蔵資料調査を独自に行うことは、本研究課題の重要事項であり、準備を進めていたが、2019年秋から2020年2月頃まで改装工事のため閉室され、その後のCovid-19の問題により調査をすることができなくなったことが、進捗に大きく響いた。

Strategy for Future Research Activity

フランスやイタリアでの資料調査が可能となる時期が明確ではないため、原文確認や新たな資料調査は原則として行わず、『欧州所蔵雍正乾隆期天主教文献彙編』(呉旻、韓琦編、上海人民出版社、2008年)所収の資料を最大限に活用することで研究を進めていくことにしたいと考えている。2019年度の海外調査によってキリスト教档案資料は現在公にされていないものも多数存在するということを確認することができたが、これは次の研究課題とし、本研究ではその資料群の一部を切り取って研究対象としたものであるとの認識を十分に持ち、清代全部を対象とするのではなく、雍正帝の時代の1723から1734年の約10年間の档案資料を主たる対象とすることによって、限られた資料と調査範囲での研究を意味のあるものとしたいと考えている。

Causes of Carryover

勤務校の学術研究員制度を利用し、調査対象資料が所蔵されているヨーロッパに滞在することが可能であったため、旅費等が発生しなかったことが最大の理由である。また、長期滞在していたローマの受け入れ先大学が様々な便宜を図ってくれたことや、ローマの文書館が主な研究場所であったため、費用の発生が少なく済んだ。
予定していたパリのAMEP(Archives des Missions Etrangeres de Paris)での資料調査のための旅費、複写費、研究補助者への謝礼等まとまった費用が必要となるはずであったが、2019年秋からのAMEPの改装工事に伴う入館停止とcovid-19による社会全般の停止状態のため、調査は実施できず、急遽、大金を要する研究を行える状況ではなかったため、大きな次年度使用額が生じた。
今後の使用計画として、AMEPでの調査費用を念頭に置いてはいるが、現状を見る限り、いつ渡航が可能となるか定かではないため、研究計画を修正し、新たな資料調査に頼るのではなく、档案資料に関しては研究対象を絞り込み、同時代の日本や朝鮮半島における口語体資料や会話資料との比較を取り入れてた分析を行うことに重点を置きたいと考えている。それに伴い新たな入力作業等が必要となることが考えられるため、その補助者に対する謝礼やアルバイト代を主要な用途として考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] A study on some Chinese affidavits of Foreigners2020

    • Author(s)
      奥村佳代子
    • Organizer
      European Association for Chinese Studies (EACS)
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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