2019 Fiscal Year Research-status Report
The Production of Metonymy: Evidence from Bilingual Priming
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17K02762
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
田中 幹大 甲南女子大学, 文学部, 講師 (10555072)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心理言語学 / 言語産出 / バイリンガル / 換喩表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は英語と日本語に共通に存在する換喩表現(メトニミー、例:夏目漱石を買う)の産出の過程を心理言語学の手法によって比較検証し、バイリンガル話者の言語を司る認知機構の解明に貢献することが目的である。 本年度は本実験を実施し、データ分析などを中心におこなってきた。その他においては、国内外で発表(甲南大学、ベルギー・アントワープ大学、イギリス・マンチェスター・メトロポリタン大学)を積極的に行った。これら発表は、換喩表現の産出において、心的辞書(メンタル・レキシコン)の役割が重要であることをとらえ、第一言語、第二言語での心的辞書の構造に関してが中心である。 また、本研究に関連して、バイリンガルを対象とした実験結果の報告(Rodrigo, L. Tanaka, M. Koizumi, M. (2019) "The role of word order in bilingual speakers’ representation of their two languages: the case of Spanish-Kaqchikel bilinguals." Journal of Cultural Cognitive Science.)と、心理言語学における実験方法を詳細に説明した書籍(Tanaka, M. (2019) 心理言語学における言語産出の実験方法(第6章).『パソコンがあればできる! ことばの実験研究の方法(中谷健太郎編)』、ひつじ書房)も出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者は各年度に予定されていた心理実験や学会発表などを行ってきたが、当初の予定よりも実験のデータ収集と分析に時間を要し、現在追加実験を行っている。その結果、当初予定されていた実験とデータ分析を行っている途中である。よって現在までの進捗状況はやや遅れているという評価となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は、追実験を実施して確実に終了させ、実験データの解析を行い、総括・成果発表の準備を行うことである。 まず、日本で実施する本調査を実施し、終了させる。この実験は英語を母国語としたバイリンガルを対象とした実験のため国外で行う予定であったが、現在の社会状況からそれが困難となり、日本に滞在するバイリンガル話者を対象に本実験を実施する。必要な実験データを収集したところで、録音したデータの掘り起こし、統計解析を行い、本研究の総括と成果発表の準備を行う。可能である場合は、国内外で行われる予定の学会で発表する。また国際学術雑誌の投稿のため、論文作成の準備にかかる。
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Causes of Carryover |
研究代表者は各年度に予定されていた心理実験を行ってきたが、当初の予定よりも実験のデータ収集と分析に時間を要し、現在追加実験を行っている。その実験を確実に終了するために、次年度使用額が生じた。
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