• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

昭和40年代採録岐阜県方言談話資料作成とその分析

Research Project

Project/Area Number 17K02771
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

山田 敏弘  岐阜大学, 教育学部, 教授 (90298315)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords岐阜県方言談話資料
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的である岐阜県方言の談話データベース作成に向け、2018年度は、以下の4点をおこなった。①音声データの文字化作業、②著作権処理のための話者遺族の特定、③方言談話データの分析、④他県の音声データの保存・公開状況の調査である。
①音声データの文字化作業については、100時間程度の音声資料について、すでに10時間分の文字化作業が完了している。進捗率は全データ量の10%であるが、実際には音声として聞き取りにくい箇所を確認し除外したものもあり、それを除けば3文の1程度が終了している。
②著作権処理については、岐阜県美濃地方東部の、いわゆる東濃地方について約30件のデーターを古い電話帳などから特定しようとしているが、確認できたものは、約1割と低調である。特別なノウハウをもった会社に依頼することも考えないと、データ化ができても公開ができない状態で大半の資料が死蔵化される危険性があることがわかった。
③データの分析も同時に始めている。音声データとして、録音状態のよいものから、連母音の周波数変化を専用ソフトで確認するなど、音声分析が1つの特徴であるが、同時に、談話のパターンの分析も始めている。まだ途中段階であるが、相手の会話に割って入ることが多いことなどは、複数名が関与する談話ではいくつか見られるなど、岐阜県の方言談話の特徴であることが確認できている。
最後に④他県の音声データの保存・公開についても、2017年度の鹿児島県立図書館の先進的な取組を調査し、CDならびにカセットテープでの試聴環境整備に加え、文字データの提供が重要であると理解している。これを、さらに、愛知県、静岡県、三重県、富山県など、近隣県でどのようなデータが提供されているか確認してきている。最終的には県民の便宜が図れるような環境作りを目指して、本研究を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

学部運営を任される立場になったことは言い訳にすぎないが、実際に十分なエフォートが費やせない状況にある。
著作権処理については、岐阜県図書館がプライバシー保護の観点から情報提供できないということになり、古い電話帳から確認をおこなっているが、十分な成果を挙げていない。この著作権処理が本研究進捗に関わる最大のキーポイントである。
一方、方言データの整備は順調に進んできているが、著作権処理が問題となって、最後に成果が公開できない状況となる可能性もある。全面的な公開は難しいとしても、断片的な特徴を記述する方法などで対処できるよう、現在、対策を考えている。

Strategy for Future Research Activity

現実的なところとして、地域を岐阜県内の全域から一部に変更することも考えたい。北部の飛騨方言は、やはり美濃方言と異なる特徴を有する。美濃地方の特に南部の連母音の融合など、音声的に特徴ある地域について、音声談話資料を利用して特徴を示し、また、談話手法を実例を示すなどして、成果を出したい。
さらに、すべての音声データを文字化し刊行することが著作権に関わるのであれば、既存の出版物に付記する形を取ることなども一策であろう。ともあれ、旧来の文字化資料では不十分であった点を補い、より特徴付けることが、本研究の目的であるので、方法論を再考していくことを考えたい。

Causes of Carryover

音声データの書き起こしを、初年度、完全にコンピュータソフトによりおこなうことを考え試行錯誤をしたため、人件費を使わなかったが、結局、方言音声まで完全に書き起こせるのは、人力しかないことがわかり、方針を転換したことが大きい。また、方言音声の書き起こしは、若い学生では歯が立たず、一定年齢でなおかつコンピュータの知識がある人を雇用しなければならないが、なかなか適切な人材が得られないでいるために、特に予定した謝金等の使用が少なくなっている。今後は、適切な人材を得ることで、倍の分量を書き起こせるよう努力する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019 2018

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 2 results)

  • [Journal Article] 「半分、青い。」の岐阜東濃方言2019

    • Author(s)
      山田敏弘
    • Journal Title

      岐阜大学教育学部研究報告人文科学

      Volume: 67-2 Pages: 1-10

    • Open Access
  • [Journal Article] 「飛騨美濃古の思い出話」の資料的価値12018

    • Author(s)
      山田敏弘
    • Journal Title

      岐阜大学教育学部研究報告人文科学

      Volume: 67-1 Pages: 21-30

    • Open Access

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi